なぜなら、そこには「お金」と「人」が集まってくるからです。

身を置くべき場所を決めるためには、需要の拡大を予測する必要

 最近の事例で言えば、数年前まではスタートアップ企業にお金と人が集中していました。

 大企業からスタートアップ企業に転職する人が明らかに増えていましたし、東大や京大の就職ランキングにもスタートアップが入っていました。

 どうしてスタートアップのブームが起きていたかというと、「伸びているマーケット」だったから。さらに正確に言うと、「伸びていくとみんなが信じているマーケット」だったからです。

 まず、「伸びているマーケット」には大量のお金(投資)が入ってきます。

 大量のお金を元にして優秀な人材を採用するので、人もどんどん集まってきます。

 さらに、優秀な人材が集まると利益が増えて事業が成長するので、お金はさらに集まります。そうすると、さらに優秀な人材が集まり……という好循環が生まれます。

 急激に伸びるマーケットや企業というのは、こういうサイクルで成長していくものです。

「お金」と「人」が集まる「伸びている場所」は、「伸びていくとみんなが信じている場所」であり、「需要の拡大が予測される場所」です。

 つまり、身を置くべき場所を決めるためには需要の拡大を予測する必要があります。

「これから成長していく企業、事業を見抜く」ための具体的な方法を1つお教えします(就活生には、機会があればよくお伝えしているポイントです)。

 転職、就職の際に、「前年度と比べて、売上が20~30%以上伸びている会社かどうか」を、企業を選ぶ基準にするのがおすすめです。

 上場企業であれば、何%の成長率であるか、ホームページのIR資料から確認することができます。ベンチャー企業であれば、社員にアポイントをとって、成長率を直接聞いてみるのもいいかもしれません。

 当然、前年度対比30%以上伸びている企業は、その成長率が3年続けば、100%を超える数字になります。