誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy「精神科医Tomyきょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
自分の居場所がない問題
会社や学校で不安な気持ちが大きく、自分の居場所がないと感じてしまい、不安を感じるという悩みを相談されることがあります。まずは自分の居場所があるかないか、という受け身の発想ではなく、「自分で居場所をつくりにいく」という発想が大事です。
所属する部署やクラスは、他人が決めてくれるかもしれませんが、そのなかでの居場所は自分でつくるもの。ちょっと厳しい言い方になりますけれど、「はいどうぞ、ここがアナタの居場所です」と他人が用意してくれるものではないですし、もともとあるものでもないのです。
頑張らなくてもいい
とはいえ、自分の居場所というのは、積極果敢に頑張ってつくらなくてもいいです。そもそも居場所というのは、「いつもアナタがそこにいるよね」って、みんながなんとなく認識していて、自分自身もそこが居心地いいと思える場所です。
たとえば、ベッドがあって、掛け布団と枕がある。そこで自分の居場所をつくろうとすると、枕に頭をのせて掛け布団のなかに入って、体をモジモジ移動したり動かしたりしますよね。そこに自分の体が収まって、居場所ができるわけです。
会社や学校での居場所も、それぐらいの気持ちの張り合いでよくて、めちゃくちゃ頑張って自分のこと主張しなくても、顔を見せるだけで「いつもアナタがそこにいるよね」というふうに、そこが居場所になってくるわけです。ただし、すぐに居心地のいい居場所ができるかというと、そうではなかったりします。
ただそこにいるだけでいい
最初は居心地が悪いかもしれないけれど、なんとなくそこに顔を出してるというだけで、周りの環境が少しずつ変わってきてくれます。そうすると徐々に自然体で発言できるようにもなります。何も考えずに、いつもそこに顔を出して、ただそこにいているだけでいいんです。
初期段階の居心地の悪さから「自分の居場所がない」と、早々に見切りをつけて、自分のほうから疎遠にしたり、あちこち移動したりすると、いつまでたっても馴染めません。要は、あんまり気にすることなく、自然体で「ただそこにいる」ことからはじめればいいんです。すぐには自分が思ったようには馴染めないかもしれませんから、時間をかけていきましょうね。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。