【周囲の人はどうすればいい?】
「正直で率直」だけが最善でないことを、真正面から話してみる

 事実を言っているのになぜ問題になるのか、理由が理解できていないASDの患者さんに、私はよくこんな話をします。

「正直で率直なことは、悪いことではありません。でも世の中は、時に真実を言わないことで、相手が不快な気持ちになるのを防いでいます。たとえば、誰かが新しい服を着てきたとき、いきなり『似合わないね』と言ったらどう?仮にそれが事実だとしても、言われた方はうれしくはないですよね。

 言っても良いかどうか判断がつかないときは、発言を控えるというのも一つの手だと思うよ」

 もし、あなたの周りに同じような特性を持つ人がいたら、一度真正面から論理的に、そして心を込めて話してみてはいかがでしょうか。特性の程度にもよりますが、理解してくれる人もいるはずです。

ここがポイント!
・ASDの人は人間関係や人の感情より、事実を優先しがち
・相手を不快にしてやろうという意思はない
・論理的に、心を込めて話し、理解を促そう