他者に依存せず、自立して生きるにはどうすればよいでしょうか。熱海の「ホテルニューアカオ」や天王洲「寺田倉庫」の経営改革を手掛け、テレビ東京「ガイアの夜明け」やNHK「SWITCHインタビュー達人達」で話題となった「伝説の経営者」中野善壽氏。「すべてを捨て、孤独を受け入れることで、“個”として立つことができる」と著書『孤独からはじめよう』と『ぜんぶ、すてれば』で語っています。本記事では『ぜんぶ、すてれば』から、人生を颯爽と楽しむシンプルな考え方を紹介します。
どこで感動するかは、自分で決める。
大人になってからの娯楽も、僕は“自由度”が高いほうを選んできました。
同じ物語を楽しむなら、映画よりも読書派。
文字だけで表現される本なら、そこに描かれる情景を何色に染めるかは自由自在。
どこで感動し、どこで一息ついて余韻を味わうか。
緩急のつけ方だって、読み手が主導権を握ることができるのがいい。
映画となれば、なかなかそうはいきません。
音楽や映像の寄り引きを駆使して、「ここで観客を感動させよう」という監督の意図が入って来る。
それが映画の良さでもあるわけですが、僕は感動するポイントは自分で決めたいタイプなのです。
だから、僕にとって良い本とは、説明や解釈が多過ぎず、読者が自由に想像できる余白のある文章で書かれてあるもの。
読み手が変われば、笑うやつもいれば、泣くやつもいる。そんな文章が好きですね。
「ここが面白かった」と持ちよる感想がバラバラ、あるいは賛否両論の作品のほうがワクワクします。
(本原稿は、中野善壽著『ぜんぶ、すてれば』から一部抜粋・改変したものです)