アソビバーに入店した男女は、7種類のカラーバンドを一つ選び、腕に装着します。バンドの色は「その日の気分」を表しており、以下にいくつか例を挙げてみます。

・黄:「今日は交流NG!私たちで楽しませて」
・緑:「交流OK!初めて来ました」
・青:「スタッフにお任せ!草食系です」
・赤:「サポートなんていらない。肉食系です」

 要するに、来店客は周囲のカラーバンドを見るだけで、仲間内で楽しみたい人と、出会いを求めている人が一目瞭然なのです。

“交流”を求めている人が分かるので、「肉食系」の人は、気分が乗らない異性を誤って誘い、断られて傷つくリスクを減らせます。「草食系」を選ぶと、異性とのマッチングを店員が仲介するので、自信のない人が「蚊帳の外」になるリスクを減らせます。

 その一方で、友達同士で楽しむ目的でバーに来た人が、異性からしつこく声をかけられて気分を害するリスクも減らせます。

SNSの普及で
「当たって砕ける」が困難に

 SNSが発達した現代は、乗り気ではない異性に何度もアプローチすると、すぐにうわさになります。

 バーでナンパをしている動画をこっそり撮影され、SNS上で拡散されるリスクもゼロではありません。「LINE」のアカウントを交換しても、そのやりとりをネットにさらされる危険性があります。

 昨今は「若者の恋愛離れ」が指摘されていますが、その背景には、SNSの普及によって「当たって砕ける」ことすら困難になったという悲しい事情があるのです。

 そうした現代において、カラーバンドでお互いのニーズを確認し合える仕組みは合理的です。

 SNSが普及する前は「刺激があるからこそナンパは面白い」という考え方もあったようですが、今は男女関係でも「刺激よりもリスク管理」を重視する時代になったのかもしれません。アソビバーの台頭は、このような世相の変化を映し出しているといえます。

 いかがだったでしょうか。若者の流行を定点観測すると、その裏側にある文化や価値観の移り変わりが見えてきます。

 これからも本連載では、Z世代の若者における流行をウオッチし、その背景について解説していきます。これから広がりそうな「流行の萌芽」も追っていきますので、ぜひチェックしてみてください。