答えに詰まったときのリアクションのコツ
――逆に、自分が答えるのに時間がかかる話題をふられたら、どうしたらいいでしょうか? たとえば、同僚に「このプロジェクトについて、意見を聞きたい」「今後の仕事について悩んでいる」など、相談をうけることもあると思います。
本多 「すぐに答えを出すこと」よりも「会話を続けること」を重視するといいと思います。たとえ的外れでも、まずは反応すること。
たとえば、「どうしたらいいと思う?」と質問されたら、まず「難しくて悩んでいます」と返す。そうすると、ほとんどの場合、「そうだよね。難しいよね」と、会話として十分成立します。
それでは物足りないという人は、「難しくて悩んでいます。とくに〇〇の部分が私にはわからなくて」と、具体的に答えるといいと思います。まず何か話せば、会話のキャッチボールの中で答えが見つかるかもしれない。
――本多先生は、言葉に詰まってしまうことや、人とうまく話せないことはありませんでしたか?
本多 いっぱいありましたよ(笑)。私も、今でこそ人と話すのは大好きですが、30年前は言葉に詰まってしまうことが何度もありました。NSCの生徒にお笑い芸人を続けるか悩んでいる、ととても大事な相談をされたのに、なんと言ったらいいのかわからず、「う~ん、そうやな……」と言ったまましばらく答えられなかったこともあって。
あのときはうまく相談にのってあげられず申し訳なかったけれど、今なら「自分はどう思ってんのん?」「お笑い諦めて後悔せえへんか?」と、次の話につながることを言ってスムーズに相談にのれるだろうと思います。
はっきりとした答えがなければ発言してはいけない、ということはありません。会話が続けば、時間をかけて「こうしたらいい」まで話を持っていくことができるので、最終的に相手も自分も納得できる答えを導き出すことができるはずです。
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