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【精神科医が教える】<br />人に話を聞いてもらうとき、絶対に忘れてはならないことPhoto: Adobe Stock

ちょっとしたワガママ?

なにか困ったことがあったり、悩みごとがあったりすると、信頼する会社の先輩や同僚、または友人・知人に話を聞いてもらうことがありますよね。ひとりでモヤモヤしているよりも、誰かに相談して客観的なアドバイスをもらうことは有効ですし、話すだけでもストレス解消につながります。

しかし、ひとつ踏まえておかなければいけないことがあります。一方通行に「話を聞いてほしい」というふうにアプローチするのは、じつは得策じゃないんです。そもそも相手に話を聞いてもらうのは、相手の時間を奪う行為ともいえます。自分の話を聞いてもらうというのは、ちょっとしたワガママなのです。

親しきなかにも“配慮”あり

つまり、相手に話を聞いてもらうということは、「ワガママを聞いてほしい」ということに等しいのです。だから、そこには配慮が必要です。それがたとえ上司であっても、「仕事で困っているのだから、話を聞いてくれるのは当然」というふうな雰囲気がちょっとでもあると、どこかにわだかまりが生じます。

そういう意識がなかったとしても、「(あなたの時間を使って)話を聞いてほしい」と、なんの抵抗もなく申し出た時点で、うまくありません。「お忙しいところ申し訳ないのですが、ちょっと相談にのってほしいことがあるんです」という感じで、最初に相手への配慮を示すことが欠かせません。

相手に警戒心を抱かせない

また、一方的に話をすることと、相談をするということは、だいぶ違うということを踏まえておきましょう。相談するということは、一方的に話をするというよりも、相手にアドバイスを求めるということ。多くの人は、困っている人を助けたいと思うものですから、相手もより積極的に話にのってきやすくなります。

一方的に話をするというと、「いつ話が終わるかわからない」という警戒心が相手に芽生えやすいです。その間、ひたすら愚痴を聞かされるかもしれないとなると、当然のことながら拒否感も生じます。

話を聞かないと人が離れていく

でも、「相談にのってほしい(アドバイスがほしい)」という前提を伝えれば、「アナタの考えが聞きたい」ということなので、相手も話を聞いてくれやすくなりますし、一方的に話を聞かされるという警戒心も解けやすいです。

もちろん、自分の話ばかりでなく、相手の話を聞くということは、とても大事です。「あの人は、いつも自分の話ばかりして、こちらの話は聞かない」というレッテルを貼られてしまうと、相談どころか、自分のまわりから人が離れてしまうことにもなりかねません。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。