なお、取材を通じてほぼ全員が使っていた単語集は『TOEFLテスト英単語3800』でした。ただ、いきなりこの単語集から始めるのはハードルが高いため、最初は英検の単語集から始めて、ステップアップしていくという方法もありました。通常の学校の進度よりは速くなるものの、中学卒業時に2級を目標にして段階的に単語集を進めていき、高校に入って準1級といった具合に単語のレベルを上げていくやり方です。これなら英語が苦手でも低めのハードルから始められるので、達成感が得やすい上に、重要な頻出単語からしっかりと身につけることができます。
また、学校で頻繁に行われる単語テストも、「語彙力は英語の伸び代なので、学校の単語テストは語彙力を強制的に上げてくれるという意味で活用する価値あり」と評価する声もありました。
言うまでもなく、4技能全てに単語力は必須です。方法は一人ひとり違っても、共通しているのは毎日触れること。使わないものはどんどん忘れていくので、自分にフィットした方法で毎日なるべくたくさんの単語に触れ、それを繰り返すことが王道といえるでしょう。
(2)文法の「型」をマスターする
単語力と並んで重要なのは文法です。ただし勉強法については、いわゆるSやVといった「型」を叩き込んでいく派と、文章を読みながらつかんでいく派に二分されます。
先の「多重知能理論」でいうと、論理・数学的知能が強いタイプは前者で、もう少し感覚的なタイプは後者なのかもしれません。
前者の場合は『スクランブル英文法・語法 Basic』『スクランブル英文法・語法』といった学校で使う基本的な文法書を使ってルールを理解する、後者の場合は学校の教科書の文章を丸暗記しながら法則性を身につけていくという方法です。
これはどちらが自分にフィットするか、両方試してみるしかないようですが、どちらかというと後者の方法で基本の文法を理解していくケースが多数派でした。教科書についているCDを活用し、文章や例文など、教科書の隅から隅まで何十回も聞いたり、音読をしたりしながら丸暗記してしまう習慣によって、「英語を英語のまま理解する力」「頭でいちいち文型を分析して考えなくても話したり書いたりできる力」が伸ばせるといいます。
文法を「感覚的に身につける」ことが必要
この点について、神奈川大学の鈴木祐一准教授は、「文法知識を身につけるためには、文法ドリルや英文解釈以外に、実際に文脈の中でインプットに大量に触れることが欠かせない。文構造を分析しながら読解すること(=英文解釈)は、文法ルールを理解するのに役立つが、実際のコミュニケーションで文法を使いこなすためには、文法を理解するだけでなく、文法を『感覚的に身につける』ことが必要だ」と述べています。
おそらく最初は「型」を叩き込むタイプも、その後さらに英語力を上げていくには、たくさんのインプットに触れることで感覚的な使い方を身につけているはずです。
文法学習について特筆すべきは、彼らが学校の教材を活用している点です。音読、音声を聞きながら一文ずつ止めて書きとめる練習(ディクテーション)、教科書を見ないで聞こえてくる音声のすぐ後を追いかけるように復唱する練習(シャドーイング)、音声の速度を速めて聞く練習など、学校の教材をさまざまな練習法で「使い倒す」ことで英語の基礎体力をしっかりと身につけているのです。単語と文法はいわば筋トレのようなものであり、英語学習で最も根幹となる部分だといえるでしょう。
最後から3段落目「先の中田准教授」→「神奈川大学の鈴木祐一准教授」に訂正します。深くお詫び申し上げます。
(2023年4月17日13:46 ダイヤモンド編集部)








