立食パーティーのメインは人と交流すること
共有の場だからこそ、互いを思いやる

 ビジネスの交流会、懇親会などで立食パーティーに出席する機会もあるでしょう。

 特にマナーはないだろうから気楽と考えていたかもしれませんが、実は定型のマナーが少ないからこそ、立食パーティーは難しいのです。

 定型のマナーとは、いってみれば、「お互いにこれさえ守っていれば全員が不公平にはならない」という親切な取り決め、共通の約束事です。

 そうした定型のない自由な場は、各々の品格がもっとも表れやすい場といえます。へたをすると無粋なところが次々と露呈し、まわりの人に良識や人格まで疑われることにもなりかねません。特に立食は、参加者全員で共有するものが多いので、お互いがお互いを配慮する必要があります。この点を私は大切に考えています。

 裏を返せば、立食パーティーのようなランダムな場で美しく振る舞える人は、マナーというものの本質を理解し、ナチュラルに体現できる人ということ。みなさんには、ぜひその域を目指していただきたいものです。

 まず心得ておいてほしいのは、立食パーティーの主役は料理ではなく、人々とのコミュニケーションである、ということです。

 これまでにも、「相手のある食事はコミュニケーションあってこそ豊かなものになる」とお伝えしてきましたが、特にビュッフェでは重要なポイントなのです。