相手に「もっと話したい」
と思わせる相づち

 そして、相づち。

 皆さんは、どんな“相づち”を打っているでしょうか?

「はい」「うん」「ええ」「そうですね」「はぁ」あたりが基本の相づちだと思いますが、私はインタビューのときは、あえて「へー!」「ふーん」「なるほど!」「そうなんですか!」という相づちをよく使います。

 この相づちには、相手の話に「興味を持つ」「驚く」「感心する」という気持ちが込められます。

 だって逆の立場になって考えてみてください。

 自分の話を、興味を持って、驚きながら、感心して聞いてくれる相手には、もっともっと話したくなりますよね。

 さらに、話を弾ませるために大いに役立つ相づちは、相手の話の先を促す相づちです。

「それで?」

「それで、どうなったの?」

「それで、どうなったんですか?」

 これらの相づちを上手にはさむと、相手の話の背中を押すことにつながります。

 さて、もう一歩相手との距離を縮めたいときに使うと効果的なのは、

「分かる、分かる」

「いっしょ、いっしょ」

「あるある」というような、相手の言葉に同調する相づちです。

 街で一般の人にインタビューするときなど、短い時間内でできるだけ心を許して話してもらいたいときに、私は積極的に、この「分かる、分かる」「いっしょ、いっしょ」という相づちを使います。

 例えば、中年のビジネスマンに「最近、何か『これって老化現象かな?』と思うようなこと、ありましたか?」と聞いたとして、

「うーん、そういえばこの間、娘の小学校の運動会で走ったら、なんか足がもつれちゃって……」

 と話し出してくれた人に、

「まぁ、それではさぞや、お嬢さんがっかりしたでしょうね」

 と言ったら、そこで話は終わってしまいますよね。

 そんなときには、

「あぁ、分かります、分かります!自分では足を上げているつもりでも、上がっていなかったりするんですよね!転んでしまったなんて方も多いみたいですよ。皆さん、いっしょですね……」

 などと答えれば、

「うん、それからね……」と話が続いていきます。

 こうやって同調することが大切なのは、「相手を恥ずかしい思いにさせない」「相手を孤立させない」ためです。

「こんなことを言って、変な人だと思われないだろうか?」

「こんなことを思うのは、自分だけではないだろうか?」

 という不安は誰にでもあるものです。