そんなとき、聞く側が「分かる、分かる」「いっしょ、いっしょ」と同調してくれることで、話し手は「よかった、自分だけじゃなかった」と安心して、話を続けられるのです。

 しかも、同調してくれるということは、すなわち自分の話に共感してくれているということですから、話が盛り上がるきっかけにもなります。

 共感できるところを積極的に見つけて、「あなたの気持ち、分かります」という同調の意思表示をすることが大切です。

 これを心理学では「類似性の法則」といいます。

 人は出身地や出身校、趣味など共通点が多いほど話が弾みやすい、ということなのですが、そうそう都合よく同じ出身地や出身校だったり、同じ趣味の人ばかりではありません。

 だとしたら自分から積極的に、相手の話の中に「類似性の法則」を見つけて、「ここは共感できるな」と思ったら、「あぁ、それ分かります」と同調する相づちを入れてください。

 人は、誰でも共感されるとうれしいものです。

「驚く」「心配」「共感」
感情はハッキリと表現

 ただし、この同調する言葉を使うときには、注意点があります。

 まず一つは、あくまでも、本当に共感できるポイントを見つけて使うということです。

 例えば、先ほどの街録でも、中年のご婦人が「ちょっと暗いとメニューが読めなかったりするのよね、老眼が始まっているのかしら~?」と言うのに対して、見るからに20代だろうというような若いリポーターが、「分かる、分かる!いっしょです!」とでも言ったなら、そのご婦人は「うそつけ!あなたのは近眼でしょ!この人いいかげんな人ね~」と思うでしょう。

 また、何でもかんでも「あ~分かる、分かる!」と言われたら、「あいつはなんて、お調子者の軽いやつなんだ」と思われるのがオチです。

 ですから、あくまでも、相手の話の中の、本当に共感できる部分にだけ使うようにしてくださいね。