初心者でも「格段に損しにくい」
たった一つの方法とは

 勘の良い読者はお気づきだろうが、もうかりやすい不動産投資とは「自宅購入」だ。

 種明かしの後に、先ほどのもうけのしくみをおさらいしておこう。

 不動産投資ローンは年率2%程度だが、住宅ローンは変動金利を選べば、金融機関によっては0.3%ほどになる。住宅ローン控除で0.7%の還付となり、実質「マイナス0.4%金利」になる。差し引きした0.4%を、毎年キャッシュでもらえるのだ。

 すなわち、今の変動金利水準であれば、借りた方が「逆ザヤ」で得になる。住宅ローンを借りると金利を払うどころか、キャッシュが増える可能性が高くなるのだ。

 さらに、自宅マンションは投資用マンションと比較して値下がりしにくい。それどころか、この10年は値上がりし続け、従来の7割ほど高くなった。東京・港区ではなくても、買った時よりも値上がりしたエリアが大多数になる。

 たとえ相場が横ばいであっても、首都圏の平均年間下落率は2%なので、「下落を防いでいる」という意味では利回りはプラスである。持ち家なので自分が住んでおり、空室リスクもなく、100%稼働となる。

 また、家賃は掛け捨てと同じだが、住宅ローンは積み立てと同じである。持ち家を買った価格と同額で売れれば、これまで支払った住宅ローンは、100%手元に戻ってくる。

 売却が10年後であれば、元本返済は物件価格の26%ほどに達しており、その金額が戻ってくるのだ。

 以上の説明から、読者の皆さんにも「不動産投資は損しやすく、自宅投資はもうかりやすい」ことが伝わったと思う。

 社会に出たばかりの若者などが、賃貸住宅や実家に住んだまま、自宅を購入する前に不動産投資をしてしまうケースがしばしばある。

 先輩・友人からのアドバイスや、ネットの知識をうのみにした結果の行動なのだろう。だが、失敗すれば将来的に自宅の住宅ローンが借りられなくなるので注意が必要だ。

 不動産投資に興味があるなら、まずは独身であっても自宅を買うことをお勧めする。購入すべき物件の立地と特徴(例:タワーマンションなど)は、統計で既に明らかになっている。

 最後に、筆者主宰の無料会員制サイト「住まいサーフィン」では新築物件の資産性を明らかにしているので、興味がある方は参考にしてみてほしい。