真面目で優秀な人が
キャリア・プラトーに陥りやすいワケ

 実は、実直に仕事に取り組んできた生真面目な人ほど、キャリア・プラトーに陥りやすい面があります。いい学校へ行き、いい会社に入り、与えられた仕事をしっかりと全うして結果を出す。それが会社員にとっての、ごくスタンダードなレールでした。

 しかしそれは、キャリアが組織(会社)に握られてしまっている状態でもあります。会社の都合や評価で個人のキャリアが決まってしまうのです。

 そのため、時代や環境の変化で会社が揺らぐと、個人のキャリアも揺らぎます。レールの先にあるはずだったポストが突然なくなったり、逆に今までなかったはずの別のレールが現れたり…。こうなると、会社にキャリアを握られていた人はどうしていいかわからなくなります。

 本来キャリアは個人が考えるものであり、自分で主体的にハンドリングするのが「キャリア・オーナーシップ」の考え方です。しかし組織にキャリアを握られていると、急に「やりたいことをやろう」「自分らしく生きよう」と言われても、かえって悩んでしまうのです。

 従来型のビジネススタイルでは、「キャリアのミッション=所属している組織(会社など)の評価」でしたが、これからは自分のキャリアのミッションは自分がやりたいこと、社会に対して取り組みたいこと、そのものになります。

 誰かに握られた、あるいは誰かに依存したキャリアではなく、「自分の人生の経営者」として自律したキャリアを目指すことこそが「キャリア・オーナーシップ」です。

 では、どうすればキャリアの主導権を取り戻すことができるのでしょうか。