キャリア不安を解消する第一歩とは?

 まずは、やりたいことに対する心理的なハードルを取り払ってしまいましょう。

 今やりたいことが見つからないことに、悩む必要はありません。すぐに見つかる人とそうでない人は、そもそもタイプが違うのです。

 キャリア考えるときに、人は2タイプに分かれます。あなたはどちらでしょうか? 血液型占いのような感覚で自分に当てはめてみてください。

〈自分発信タイプ〉

 やりたいことを即答できる人はこのタイプ。自分の中に問題意識があり、それを解決したいと考えています。

 自分の中に確固たる価値観があるタイプで、物事を判断するときは、自分の内なる価値観に照らして決めていきます。こだわりの強さが信条で、ブレることがありません。責任感と誇りがあり、役割や規律を忠実に守ろうとします。

 その性質がポジティブに働く場合は、正義感があり、使命感や責任感を発揮します。一方で、ネガティブに働く場合は、独善的で支配的になることがあります。自分の価値観が強すぎて、排他的で批判的な傾向が現れることがあります。

 頭ごなしに否定されることで強いストレスを感じます。

〈環境適応タイプ〉

 やりたいことがすぐに見つからない人はこのタイプ。外部の状況を柔軟に受け入れられます。物事の判断は、周りの雰囲気や環境の変化を捉えて決めます。周りの状況を見ることができ、相手を慮ることができます。

 人を育成するマインドが高く、人から感謝されることに喜びを感じます。その性質がポジティブに働く場合は、寛容さがあり、肯定的で面倒見の良さを発揮します。

 一方で、ネガティブに働く場合は、曖昧で過保護になることがあります。周囲の反応で判断することが多いので、自虐的で逃避的な傾向が現れることがあります。

 周りからの反応がないと強いストレスを感じます。

 日本人の場合は小さいころから、周りに迷惑をかけないように、周囲との調和を重視するようにとの形で教育が行われることから「環境適応タイプ」が多いといわれています。ただし、はっきりとどちらかに分類されるというものではなく、1人の中に2つのタイプが共存しているものなのです。どちらのほうが価値観として強く持っているのかということで、タイプ分けしていきます。そして、大事なのは、どちらが優れているということではないということです。自分のタイプがわかるだけでも、やりたいこと探しは格段にしやすくなります。客観的に見るには、アセスメントなどを利用するというのも有効です。

自分の軸を見つける2つのクエスチョン

 自分発信タイプの人は、そもそもやりたいことがはっきりしています。

 一方で、環境適応タイプの人は、自分がやりたいことが明確にわかっていない場合が多いでしょう。その場合には、次の2つの質問でクリアになります。

(1)誰に、何をしてあげたいか?(どうなってほしいか?)
(2)やりたくないことは何か?

 たとえば、「親に恩返しがしたい」みたいなことでもいいでしょう。それがキャリア? と思われるかもしれませんが、人生や生き方こそがこれからのキャリアですから、それでいいのです。

 子どもに幸せになってほしいでもいいし、飲食店を応援したいでも、工場を支援したいでも構いません。会社で上司の役に立ちたいでも、自らリーダーシップを取りたいでもOK。身近な家族のことでも会社のことでも、社会のことでも、どんなレベル感でもいいんです。環境適応タイプの人は、自分がどうしたいかを決めるのが苦手な半面、何かをしてあげる対象を決めると、やりたいことのイメージが湧きやすいのです。

 もう一つの方法は、やりたくないことを考えてみることです。

 世の中の画期的な商品や革新的なサービスは、人々のちょっとした不満から生まれることがよくあります。

 あるメーカーは、SNSでユーザーの不満をポイントで買い上げる「不満買い取りキャンペーン」をやっていたくらい、不満というのは新しい価値を生み出すパワーになるというわけです。そこで、やりたいことが見つからないときも、やりたくないことから考えてみましょう。

 満員電車に乗りたくない。一日中デスクに座っていたくない。そんな簡単なことでもいいのです。あるいは、人に喜ばれない仕事はしたくないとか、環境に悪い商売はしたくないとか、観念的なことでもいいでしょう。まずはそうして考える起点を作ることから始めてみます。

 起点ができれば、ではそのためにどうするか?→そのためにどうする?…と、深掘りしていくことができます。

 ここで紹介したのは新しいキャリアに踏み出すための、ほんのきっかけづくりにすぎません。しかしこうして少しずつ自己理解を進めていくことで、着実にあなたの向かうべき道が見えてくるはずです。