マイナ保険証で自動的に高額療養費が適用
世帯合算はできないので注意

 マイナ保険証に対応しているということは、すなわち、オンライン資格確認を導入している医療機関ということだ。

 オンライン資格確認は、マインバーカードのICチップを読み取ったり、健康保険証の記号番号を入力したりすることで、オンラインで患者の健康保険の資格を確認できるシステムだ。患者の高額療養費の所得区分も確認できるようになっている。

 患者は、受付時に窓口に設置されているカードの読み取り機械にマイナンバーカードを挿入し、自分の限度額情報を医療機関に提供することに同意すれば、自動的に高額療養費が適用される。

 限度額適用認定証を提示しなくても、高額療養費の適用が受けられるので、わざわざ健保組合で認定証の申請をする手間を省くことができるのだ。

 また、これまでは、急に入院や手術を受けたり、思わぬ事故にあったりして、事前に限度額適用認定証を入手できなかった場合は、後日、健保組合に申請して限度額を超えた医療費を還付してもらう手続きが必要だった。だが、オンラインで資格確認をしてもらえば、その場で高額療養費の適用が受けられるので、家計からの持ち出しを減らすこともできる。

 ちなみに、マイナ保険証に対応している医療機関では、本人が口頭で同意すれば、健康保険証でも高額療養費の限度額は確認してもらえる。マイナンバーカードの保険証利用の手続きをしていなくても、同じように高額療養費の適用は受けられるので、医療費が高額になった場合は、窓口で相談してみよう。

 ただし、マイナ保険証に対応している医療機関でも、高額療養費の世帯合算はできない。

 世帯合算は、1カ月の間に、一人で複数の医療機関を受診したり、同じ健康保険に加入している家族の医療費が高額になったりした場合に、窓口で支払った自己負担分を合算して、高額療養費を申請できる制度だ。

 70歳以上の人は、自己負担した金額に関係なく合算できるが、70歳未満の人は、1カ月の窓口負担がそれぞれ2万1000円を超えていることが条件だ。ただし、院外処方の薬代については、高額療養費の対象になった病気やけがの治療で、医師に処方されたものは金額にかかわらず合算できる。

 家計の負担を抑えられるありがたい制度だが、病院や診療所は、その患者が他にかかっている医療機関の情報や、家族の医療費の状況まで把握することはできない。世帯合算は、自分で健保組合に申請しないと適用してもらえないので、マイナ保険証に対応している医療機関を受診した場合も、忘れずに手続きしよう。