頑張っているのに成果が出ないと悩んでいる人も多いかもしれない。
そんなときおすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。急成長企業「アンカー・ジャパン」CEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。
そんな本書を推薦するのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」著者・わびさんだ。
わびさんは、自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterフォロワーは15.7万人を突破、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。
書評家としても鋭い論考を投げかけるわびさんに、『1位思考』を活用しながら、新年度をらくらく乗り切る知恵をシェアしてもらおう。
ある日突然、リーダーになった時、
身につけておいたほうがいい習慣
Q:『1位思考』では、トップバッターの「全体最適の習慣」が6つの習慣で最も重要とされています。
ただ、これは心の余裕や、客観視ができないとなかなかできません。
プレーヤーで優秀な人が、ある日突然、マネジャーになってもできる人は少ない。
ですから、メンタルが弱い人が、ある日突然、なりたくもないのにリーダーになった時、とても大変だと思います。
自衛隊で人を育てる経験もされたわびさん、
メンタルに弱い人(気弱な人、静かな人、内向型の人)が、
ある日突然、リーダーになった時、
絶対に身につけておいたほうがいい習慣があったら教えてください。
わび:適度に休む習慣ですね。
身体と心を効率的に回復させる術を持っておく必要があります。
理由は2つあります。
まず、リーダーは感情をコントロールする必要があるからです。
身体や心が疲れてくると、どんなに落ち着いた人でも感情的になりがちです。
感情的な判断は、合理性に欠くことが多く、組織全体を誤った方向に導いてしまいます。
また、リーダーの感情の起伏が激しいと、部下はムダに疲弊してしまいます。
組織全体の失敗や部下の疲弊は、メンタルの弱いリーダーには大きな不安要素になります。
自分自身が弱らないためにも、よく休んで感情を安定させておくことが大事です。
次に、リーダーは最後まで先頭に立って指揮しないといけません。
これは以前、元エリート自衛官が語る、ビジネスに使える「自衛隊流リーダーシップ」の3要素とは、でも書いたのですが、指揮官というのは最後まで立っていないといけません。
ですので、先頭に立って指揮する場面以外で休むことも必要です。
人の上に立つ人はある程度の“強さ”が求められますが、それを求めるあまり心が折れてしまうことがあります。
本当に頑張るところでは頑張るが、時には“まぁ、いいか”と流せる心のしなやかさと休む勇気、部下に任せる度量を持つことが必要です。
『1位思考』には、リーダーになったとき、部下との関係で苦しんでいた、かつての自分に読ませてあげたい「リーダーの心得」が詰まっています。
新年度のスタートや五月病対策の参考になると思います。なにかモヤモヤする人、現状を変えたい人は、読んでみることをおすすめします。