大手企業しか実現できなかったプロモーションが、中小企業でも可能になる。これは広告業界の仕組みを、根底から変えるビジネスモデルといえるだろう。
タレントの不祥事については
責任は問えないデメリットも
実際にサブスクを利用している企業からは、大きな反響があったという。
「たとえばヒロミさんの素材を使った企業の方から、広告にヒロミさんが写っていたから、とダイレクトに顧客につながるケースがあったという声をいただきました。顧客獲得コストが半分になった、成約率が上がったなど、芸能人起用による認知度の向上やPR効果を感じる声は多いです」
その一方で、起用タレントに不祥事やトラブルが発生した場合、一般的な広告との違いはあるだろうか。
「通常の広告契約の場合、企業側とタレントとのひも付きは一対一でとても強いものになります。タレントは商品を持つなど企業の要望にも積極的に応えますが、その半面、いずれかが不祥事などを起こしてしまうと、損失はダイレクトなものになります。このサブスクモデルでもタレントと企業の双方が配慮することは前提にありながら、複数ある結び付きの一つとして、そういったトラブルにも柔軟に対応できるのではないかと思っています」
ほかにも競合企業と使用タレントが被るリスクなどの懸念事項もある。とはいえ、問題があれば素材の差し替えができる、という手軽さはサブスクならではかもしれない。
気軽に参画できて、低コストで維持できる、というサブスクの自由度が、今後の広告業界にどのような影響をもたらすのか。将来的に街やネットで見かけるプロモーションの多くが「サブスクタレント」で埋まることもあるかもしれない。