では、どのように対処するのが適切なのだろうか。何より重要なのは「積極的な情報開示姿勢」である。炎上騒動を目の当たりにしたネットユーザーやマスメディアが関心を抱く事項に対して先手を打って答え、彼らの要望に応えることで、「真摯な対応がなされた」と認識されればよいだろう。その段階で正確な情報提供がおこなわれ、組織として実態をきちんと伝えようとする誠実な意思を示さねばならない。細かく指摘するならば、以下の各要素に対して情報提供ができることが望ましい。

・何が起こったのか?→確認できた事実を伝える
・なぜそれが起こったのか?→原因を究明した結果を伝える
・どこに責任があるのか?→責任の所在を明らかにする
・損害・損失は?→損害・損失を明らかにし、講じている拡大防止措置を伝える
・今後の見込みは?→再発防止のための取組を伝える

「コンプライアンス」のあるべき姿

 炎上等で世の中を騒がせてしまった会社が、世間から「コンプライアンス意識が足りない!」等と非難されることがある。よく耳にする言葉ではあるが、実際どのような意味を持つのだろうか。

「コンプライアンス」を直訳すると「法令遵守」との意味になるが、昨今では単に法律を守ればよいというわけではなく、社内規定やマニュアルといった所属組織内の規律、そして倫理観や社会的規範など、法的に規定されているわけではない道徳やマナー的なものまで含めた社会のルールに沿えており、公正明大であること、といったニュアンスが含まれるようだ。縛りが強い順に、次のとおりとなる。

・国民が守るべきルール
 国会で制定された法律、国の行政機関で制定される政令、府令、省令といった、法的拘束力のある法令全般。地方公共団体の条例、規則なども含まれる

・所属組織のメンバーが守るべきルール
 就業規則、社内規定、業務マニュアルなど、所属組織のメンバーが遵守しなければならない取り決め全般

・人として配慮すべきルール
 倫理観、道徳観、社会的規範やマナー、公序良俗意識、誠実さなど、法令や規則で定められたものではないが、社会から求められるルール全般