誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】損得勘定で生きる人ほど、最後に損をする決定的理由Photo: Adobe Stock

損か得かで判断する人の末路

損か得かで物事を判断すると、結果として損しがちです。

就職先を決めるときやお付き合いする相手を選ぶとき、いろんな条件をもとに判断すると思うのですが、それを選ぶことが損か得かを優先順位の最上位にしてしまうと、あまり幸せな結果を招かないでしょう。

条件を“足し算”する愚行

よりシンプルに、「この会社で働きたい」「この人とお付き合いしたい」という純粋な気持ちを大事にしたほうがいい。そのうえで待遇や年収など、ある意味の損得勘定をしてみたらいいと思うんです。

ただし、全部の条件を足し算して、「あの人よりこの人のほうが得」みたいなことかというと、ちょっと違います。その足し算の計算結果が、この先も続くとは限りません。

いろんな条件を達してるものが全部なくなったら、そこには何も残らないわけですよ。

“目に見えない壁”が立ちはだかる

つまり、メリット・デメリットで判断していると、いつしかモチベーションがなくなってしまいがち。「この会社で働きたい」「この人が好きだ」という純粋な気持ちが先にあれば、たとえ条件が悪化しても、モチベーションは続きやすいんですね。

純粋な気持ちがないまま、損得勘定で選んでしまうと、そこには目に見えない限界が生じるんです。

先に心が惹かれ、その後から裏付ける条件は考えられるかもしれないけど、条件を全部足して、メリットがいちばん大きいから好きになるわけじゃない。

好条件が当たり前になる不幸

そこを勘違いしてしまうと、何を選んでもうまく続きません。「こんなはずじゃなかった」なんてことになりかねないんです。だから、純粋な気持ちが先立つほうがいいんですね。

どんな好条件でも、もし純粋な気持ちがともなわないのであれば、最終的にうまくいかないと思って、冷静に考えてみてください。

それに、いくら好条件がそろっていても、それがあっという間に当たり前になってきます。好条件が当たり前になる不幸というのもありますから、くれぐれもご注意ください。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。