京都産業大学はどんな雰囲気?

 笑福亭鶴瓶などのお笑いタレントを輩出し、ひょうきんな学生が多かったことから、「アホの京産」のフレーズが今も有名。自分たちのことなら自虐であり、他人が言うのは褒め言葉でもあるが、現役生にとってお笑いのイメージはないようだ。親世代にはチャレンジ精神に満ちあふれた学生、バイタリティ豊かな学生が多かったようだが、近年それは薄れてきている。

 とはいえ、京産大生のウリは元気さとノリのよさとフットワークの軽さ。活動的な学生は、インカレのサークルに入ったり、いろいろなイベントに顔を出したりして人脈を広げている。音楽、演劇など人前で自分を表現するような活動をしている学生も意外と多い。学生数が多く、サークルや部活もたくさんあるので、学内カップルはそこそこいる。

 山の上にあるため、ファッションは自然にカジュアルになる。ジャージで歩いていても違和感なし。「坂道が多くてヒールは無理。スカートもはかない」(経営学部女子)、「動きやすさ重視。山の天気は変わりやすいので脱ぎ着しやすいものがいい」(生命科学部男子)。

 大学周辺の家賃の相場は3万~5万円。大学の近くに下宿すると、通学には便利だが、京都らしい生活とはかけ離れてしまう。「所詮、滑り止め大学だから」と斜に構える学生も多いが、新しい設備には満足しており、学生生活をそれなりに楽しんでいる。

 いろいろなタイプの学生が人それぞれに明るく生きているから、「自由の京産」にイメチェンしたいところかもしれない。「正直言って、学歴コンプレックスはある。でも、なんだかんだ言って母校が好き」(法学部OB)という卒業生の声も聞こえてくる。

龍谷大学はどんな雰囲気?

 ミッション系ならぬシャクソン(釈尊)系の龍谷大学。特に自分の所属ややりたいことがはっきりしていなくても、クラス単位で和気あいあいとしているので、居心地はいい。大きなお寺の息子や娘が、宗派の垣根を越えて総合的に仏教を勉強しに来ていたりして、そういう学生はひそかに裕福。ただ、経済観念は厳しくしつけられている。

 ほとんどの学生は特段の宗教的背景を持たないフツーの若者。背伸びをしなくても、そこそこ楽しく盛り上がることができ、気負ってハメをはずしたりする必要もなく、まあまあ講義に出て、淡々と卒業する。男子は気が小さい草食系が多数派。女子はギャル系の人もそこそこ多い。「京都のはずれでも、おしゃれな人がけっこう多いし、個性的な着こなしもよく見ますよ」(社会学部生)。授業中にあまり発言しない学生が多数を占めているが、「学外ではYouTuberとして活動していたり、バックパッカーだったり、バーを経営していたりと、行動派の人が意外と多い」という声もある。特に文学部にはわが道を行く個性派が一定数交じっている。

 クラス内は仲が良いところが多く、グループで遊びに行ったり、飲み会をしたりする。「クラスサポーター制度というのがあり、上級生が勉強の相談に乗ってくれるほか、イベントの企画などもしてくれる」(政策学部生)。クラブやサークルは一通りそろっているが、参加率は半数ほど。仏教賛歌を歌う合唱団、仏像研究会など宗教系6サークルが宗教局として浄土真宗の普及と実践に取り組んでいるのもユニーク。

 同じキャンパス内には短大もあり、クラブやサークル活動での交流はあるものの、恋愛に発展するケースはあまりないとか。姉妹校にあたる京都女子大生も龍谷大の男子には興味がないようだ。