前回の記事(「ドコモは大丈夫なのか?」ケータイ産業の中の人たちまでが囁く懸念の深層)には、有難いことに多くの反響をいただいた。
私が日頃お付き合いする方々からも、いつにも増してコメントをいただくことが多かった。情報通信産業に携わる人はもとより、消費者全般にとっても、NTTドコモの行く末は、やはり大きな関心事なのだろう。
そうした中で少なからず耳にしたのが「ドコモはガラケーを復活させるべし」という意見だった。
フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)が実現していた、通信事業者を中心とする垂直統合のパラダイムこそ、通信事業者、端末メーカー、そして消費者のすべてにとって、幸せな構図だったのではないか、というものだ。
確かに私の周りでも、「ガラケーが懐かしい」とか「やはり2台持ちじゃないと無理」といった声は、しばしば聞かれる。それも、いち早くスマートフォンへ移行した都市部の消費者、特に音声通話がある程度は必要なビジネスパーソンからの声が大きい。
電池問題、セキュリティやプライバシーの懸念、通信障害、音声通話端末としての不便さ、等々…。スマートフォンの普及に伴い、その課題も浮き彫りになってきた。フィーチャーフォンの「守られていた居心地のよさ」という魅力が、それを失ったことで再評価されている。
しかし、そうは問屋が卸さない。おいそれとフィーチャーフォンを再興できる状況では、どうやらなさそうだ。