賞味期限をチェック!
サバ缶は“古いほうがおいしい”

 ここからは、安価なサバ缶をおいしく食べる秘けつを教えます。実は安価なサバ缶は、品質が一定でないがゆえに、いつもよりも美味しくなる場合があります。そして、それは賞味期限を見ることである程度判別することができます。

 そのコツは、「製造月が秋~冬で、なるべく昔のものを選んで食べること」。

 水産品の缶詰の賞味期限は、一般的に3年と定められています。ということは、賞味期限から3年引いた月日が、製造月日ということになります。サバの多くは秋冬に脂がのるので、秋冬に製造されたものの方が、脂がのっている可能性が高いのです。

 また、サバ缶のような魚の缶詰は、できたてよりも時間を置いた方が、脂がなじみ、味が良くなります。つまり、古ければ古い方が味のまとまりが良く、美味しく感じやすいのです。賞味期限ギリギリに食べるとおいしく食べられますので(賞味期限を過ぎたほうがおいしいという人もいます)、新しいサバ缶を買ってきたときも、家でしばらく置いておいてから食べてみてください。

書影『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める本』(クロスメディア・パブリッシング)ながさき一生 『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める本』(クロスメディア・パブリッシング)

 また、原材料表示に調味料が必要以上にいろいろ書かれていないことも、良いサバ缶選びの助けになります。例えば、水煮缶でも出汁などが添加されているものがあります。それは、サバだけでは味がまとまらないことを意味し、良い原料が使われていないということでもあります。

 もう一つ、缶の大きさも選ぶ際のポイントになります。大きい缶詰ほど成長の進んだ大きいサバが使われており、味が良いことが多いからです。

 最後に、日本人に人気のサバ缶は、実は世界を見渡しても人気の魚缶です。サバ缶についての知識があると、外国人と話すときにも実はいい話のタネになります。『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める本』では、このようなビジネスパーソンが知っておきたい魚の教養を楽しく紹介しています。ぜひ手に取って、一緒に魚の教養を身に付けてもらえたらうれしいです。