【ケース2】丸井グループ
共創経営による事業変革と
ソーシャルボンド発行
百貨店「マルイ」「エディ」などの小売り事業、「エポスカード」などのフィンテック事業を2本柱とする丸井グループは、貸金業法の改正やアパレル不況などで過去に幾度もの経営危機を経験したが、直近のコロナ渦での消費総崩れの中にあって、黒字継続で気を吐いたことが大きな話題となった。
コロナ渦での同社躍進の背景として、2016年に初刊を発行した「共創経営レポート」で謳われた「価値共創経営」を主軸に、顧客や投資家との対話や社会インパクトを経営戦略に取り入れてきた取り組みの成果だ。
数多ある同社の共創経営の中で、最近の特筆すべき取り組みのひとつが、ソーシャルボンド(資金使途を社会課題の解決に限定した債券)の発行である。
2022年に同社が発行したソーシャルボンドで調達した資金は、貧困層支援や教育問題など社会的課題の解決に取り組むベンチャー企業への資金支援・投資に活用される。
また、今回のソーシャルボンドはブロックチェーンを活用したデジタル債であり、小口での投資も可能だ。社会貢献を志す、Z世代の投資ニーズにも応えている。
【ケース3】イオン
消費者や就活生に選ばれる
サステナビリティ経営
サステナビリティへの取り組みを、自社のブランド戦略につなげる動きも出ている。消費者のエシカル消費への選好を巧みに取り込んでいるのが、大手スーパーのイオンだ。
同社は、「日常生活を社会への貢献に結びつけるパイプ役になって欲しい」との消費者の声を基に、2002年からフェアトレード商品の取り扱いを強化している。