恐らくあなたは(2)の締切りのほうが時間的余裕も生まれて、簡単かつ精度の高い仕事ができるはずと考えるのではないでしょうか。

 実際はどうでしょう。緊急案件が舞い込んで手がつけられず、直前になってバタバタ作り始め、「時間があっても、そんなに精度の高い企画書にならなかった」という結果になることもよくあるパターンです。

 やるべき仕事が同じだとしても、時間的距離によって実行の難易度が違うように感じるのが時間不一致現象であり、起こしがちな錯覚です。

 大事なことに取り掛かるベストなタイミングは「直近の空いている時間」なのです。

最初の第一歩は
「今から72時間ルール」

 未来は、自分が思っているほど時間はありません。仮に今、スケジュールが空いていたとしても、必ず何かで埋まってしまうリスクがあることから、僕は「実行の第一歩は今から72時間以内に必ず行う」ということをおすすめしています。

 できれば「今日」、すなわち当日に着手するのがベストです。

 ただ、ミーティングにも一定の時間をとられているので、他のスケジュールが詰まっていて“余白”がないことも多いでしょう。

 経験上、4、5日後に着手となるとミーティングの細かな内容を明らかに忘れてしまう人が多いので、試行錯誤を繰り返し、「今から72時間」が実行の第一歩としています。

 もちろん、優先順位は、(1)今日→(2)明日→(3)3日後の順です。遅くなればなるほど思い出す作業が必要となり、記憶との戦いになります。

 そして、後になればなるほど、「今までの予想を超えた新たな仕事」などが舞い降りてくる確率が高まるので要注意です。

 成果を出したいとき、根拠のない楽観視をするのはやめましょう。

 単に「先延ばし」するのではなく、「直近の日程を細やかに調整」しながら、大事な仕事をスケジューリングしていくことが大切です。

その場で未来の自分に
“アポ取り”する

 矢本流ミーティングでは、「72時間以内の最初の一歩」を意識させるだけでなく、先のスケジュールも具体的に決めます。

 例えば、

第一歩はいつ? → ○月○日にYさんと△△を実施
その次のステップは? → □□を○月○日に個人で実施

 などです。

 さらに、この内容をスケジュール帳にすぐに書き込みます。

 これを僕は「未来の自分へのアポイントメント」と言っています。

 多くの組織では、「時間が空いたら」「すきま時間を見つけて」「作業の合間に」と言って、こうした内容をきちんと決めずに解散してしまいます。

 日常業務で忙しいあなたに「すきま時間」は永遠にやってきません。だから、先に「予定を決める」「手帳に記入してブロックする」のです。

 未来の自分に“アポ取り”することで、決めたことへの実行力は格段にアップします。

*    *    *

 なお、「決めたことが実行できない7つの原因」の(2)〜(7)の対処法については、拙著で詳しく解説しています。よろしければ、お読みください。