2の泉の「マウンティング」は、はた目には見え見えですが本人は無自覚です。それだけに、日常生活のあらゆる場面でやらかしがち。
「この店もおいしいけど、私がパリで行ったビストロは……」
「ごめん、地上波は見ないから、最近のドラマはわからないや」
漏れ出てしまう対抗意識を抑えつけるには、口に出す前に「これマウンティングかな?」と自問しましょう。誰かが自分や第三者に言った自慢気なセリフに対して、心の中で「あっ、マウンティングだ」とツッコミを入れるのも有効です。
3の泉の「コンプレックス」は、直視するには勇気が必要。そのせいか自分の中の怒りやイライラに、別の理由をひねり出しがちです。
「やっぱり帰国子女だと、四季の移ろいを楽しむ感性はないよね」
「ダメ出しばっかりしやがって。だから老害は嫌なんだ」
自分が勝てそうな要素(根拠はゼロ)を探してきたり、レッテルを貼って溜飲を下げたり。イヤミや悪態の多くは、コンプレックスが生みの親です。自分はどんなことにコンプレックスを抱きがちなのか、傾向を分析して自分を戒めましょう。
4の泉の「無知や誤解」は、本人は自分が知っている範囲の世界しか見えていないので、仮に指摘されてもなかなかピンときません。
「へー、花粉症だったんだ。こっちにうつさないでね」
「満員電車で痴漢に遭うのは、本人にもスキがあるからだと思うな」
まずは「自分は無知である」「自分の理解や解釈は間違いだらけだ」という前提から出発しましょう。その上で、「どういうこと? 教えて」「ごめん、誤解してた」と、サラッと言えるようになりたいものです。
5の泉の「デリカシーの欠如」は、結局のところ、相手の気持ちや状況への想像力がなく、相手との関係性にも無頓着なことが原因。
「そっか、死んじゃったんだ。また新しいワンちゃんを飼えばいいじゃない」
「悪いことは言わないから、もうひとり産んでおいたほうがいいわよ」
口に出す前に「自分が言われたらどう思うか」「自分が言っていいことか」と自問自答することで、ある程度は防げるでしょう。好奇心や親切心を言い訳にするのは卑怯です。