4月29日、原宿にあるアクセサリー店に3人組の男が押し入る強盗事件が発生し、これまでに“転売役”と“売りさばき役”とみられる男が逮捕されている。

 防犯カメラの捜査から浮上した“転売役”の都築英明容疑者(50)は「借金で金に困り、闇バイトに応募した」と供述している。

 一方、“売りさばき役”である早山尚人容疑者(23)は、「盗品だと思われるアクセサリーを転売するよう指示された」と供述し、警視庁は残る実行役1人を追うとともに、指示役を含む組織の全貌解明に向け捜査している。

 また、3月には、1億円相当の高級時計などが強奪された東京・上野の貴金属店強盗事件で、実行役の男が逮捕されているが、付近では、3月下旬と4月中旬にも別の貴金属店を狙った強盗事件が起きていて、警視庁は関連も視野に捜査している。

 東京・狛江市の強盗殺人事件で世間を震撼(しんかん)させた一連の広域強盗事件を契機に、全国各地で強盗事件が相次いでおり、社会を恐怖に陥れている。

 最近の強盗事件では、大規模な犯罪組織によるものもあれば、その手口を模倣し、“素人”による極めて短絡的な犯行も混在している。

 また、店舗を狙った手口が増えている点にも留意したい。

あなたの家族を加害者にする
犯行グループの悪質な手法

 前述の一連の広域強盗事件では、特殊詐欺のノウハウを強盗に転じ、完全に分業して強盗を行うその組織性が浮き彫りとなった。

 また、これら犯罪組織の特徴は、その個人情報の収集方法の巧妙さ(関連記事:https://diamond.jp/articles/-/319537)もさることながら、実行役を次々とリクルートし、使い捨てていく構図にある。

 このノウハウも特殊詐欺の“受け子”“かけ子”などから受け継がれている手法だ。