2023年度の業績予想については、売上高が1164億円増の1兆5120億円、営業利益は310億円増の839億円、経常利益は258億円増の995億円としている。JR西日本は2023年度からセグメントを再編し、運輸事業に設備工事、建設、清掃などを加えた「モビリティ業」を設置する。

 新セグメントで計算すると、2022年度の営業利益は約332億円。これに対して2023年度の予想は387億円増の720億円となっており、こちらもJR東日本と同様、鉄道の増益が予想達成のカギを握っていることが分かる。

JR東海は東海道新幹線の
ビジネス需要開拓が課題

 最後はJR東海だ。同社は昨年10月31日、燃料費・電気料金の高騰による動力費の増加を理由として、2022年度通期の業績予想を営業利益110億円、経常利益90億円、純利益50億円下方修正した。

 実績値と比較すると売上高は約683億円増の1兆4003億円、営業利益は約955億円増の約3745億円、経常利益は約995億円増の約3075億円、純利益は約784億円増の約2194億円と、下方修正した数字を大幅に上回った。ちなみに2018年度比で売上高は約75%、営業利益は約53%、経常利益は約49%の水準となる。

 JR東海の業績は東海道新幹線の営業成績と直結している。2022年度業績予想の前提条件となる運輸収入(2018年度比)の想定は、第1四半期60%、第2四半期70%、第3四半期80%、第4四半期80%、通期72.5%だった。だが、実際には第1四半期70%、第2四半期70%、第3四半期81%、第4四半期86%、通期77%で、第1四半期と第4四半期で予想を上回った。

 2023年度は上期85%、下期90%、通期87.5%を想定しており、売上高は1657億円増の1兆5660億円、営業利益は554億円増の4300億円、経常利益は495億円増の3570億円の予想だ。