2022年度に大学駅伝三冠を達成し、新主将が鈴木芽吹選手となって、新チームとして始動している駒澤大学陸上競技部。3月末に監督を退任し、現在は総監督を務める大八木弘明氏が考えるチーム作りの要である主将には、一体どんなことがもとめられるのでしょうか。そこで今回は大八木総監督の著書『必ずできる、もっとできる。』から抜粋し、紹介します。
キャプテンに必須の資質とは
主将(キャプテン)はエースとなる部分はあるものの、また違った役割も求められる。
ここに最もふさわしい選手とは、走力と言葉の両方で周りを牽引できる選手。チームに厳しさや緊張感を与えると同時に、厳しい練習のときや、結果が出なかったときに明るく前を向き、勢いをつけ、盛り上げることが仕事である。
キャプテンにはリーダーシップの取れる人材を、私が毎年指名していた。監督である私と選手全体の間に入り、チームをまとめていく役割を担うが、重要なのは、私の言ったことを選手に伝えるだけの存在ではその務めは果たせないという点である。
2021年度はエースである田澤廉に任せた。まだ3年生だったが競技成績で圧倒的に抜きん出ているだけでなく、強くなるためには何をすべきか、何をしてはいけないか、自分なりの考えを持っていたため、彼なら大丈夫だろうと判断したのだ。