なぜ異物混入リスクが高まる?店舗責任者目線で考える

 一体どういうことかをご理解していただくには、外食チェーンの店舗責任者になったと想像していただくといいかもしれない。

 さて、あなたがこのような「安全性に信頼がある業務用カット野菜」を仕入れる立場だったら、調理担当者やバイトの店員にどんな使い方を指示するか。

 袋から出して皿に盛り付けする前に、水洗いさせるだろうか。野菜の表面などを細かくチェックして、色がおかしくないか、葉の間に虫などの異物が入っていないかなどを確認するだろうか。

 恐らく「忙しくない時はやるかもしれないけど、店が混雑してきたらやらないかな」という人が多いのではないだろうか。当然だ。カット野菜は工場でしっかりとした品質管理のもとで生産されている「原料」だからだ。

 飲食店が丸ごとの野菜を仕入れたら、それは「食材」なので、厨房で調理担当者が洗って、切ってという下ごしらえをする。その際に、異物がついてないかなどのチェックするのは、調理担当者の役目でもある。

 しかし、これが「原料」ならば、そうならない。飲食店をやっている人で、取引先から仕入れた醤油や牛乳など使用する前に、中身を一度皿などにぶちまけて、異物混入がないかチェックするという人はまれだろう。大多数の調理担当者は「原料」は容器からそのまま出して使う。袋に入った「カット野菜」も同じだ。

 つまり、「カット野菜」というのは野菜という食材でありながらも、それを仕入れている店舗側の扱いとしては「原料」なので、調理担当者が品質を厳しくチェックしない、という問題が生じるのだ。

 この「死角」こそが近年、カット野菜の異物混入が増えている原因ではないかと筆者は考えている。

 そう聞くと、「なぜ厨房がチェックをしていないと言い切れるのだ!うちの店ではカット野菜も袋から出してちゃんと洗って、盛り付けの時に目視で確認してから提供しているぞ」と不愉快になる飲食店も多いだろう。

 ただ、丸亀製麺に関してはそういうプロセスを踏んでいない可能性がある。なぜそういえるか。