財務会計系の王道資格「日商簿記検定」はぜひ取得したい!
でも、その前に……

 最初におすすめしたいのは、「日経TEST」(正式名称:日経経済知力テスト)です。名称からわかる通り、日本経済新聞社と日本経済研究センター主催の「経済知力」を測るテストです。出題範囲は、会計・財務、法務・人事、マーケティングなど6ジャンルから100題が出題され、評価は合否ではなくスコアで表示されます。
 
「範囲が広すぎる!」と引いてしまう人もいるかもしれませんが、このテストは単に経済や財務用語の知識を問うのではなく、時事問題とも絡めて、実際の社会の動きの中でそれらの意味を考えさせる出題内容です。たとえ解ききれない内容があっても、間違いなく新たな学びや気付きがあるはずです。

 前回記事でもご紹介した「ニュース時事能力検定」と併せて勉強し、時事とその背景を本質的に理解するトレーニングをしてみるのも良いでしょう。

 そして、エントリーシートや履歴書に書くとまず間違いなく評価される、財務会計系資格の王道「日商簿記検定試験」(以下、簿記検定)には、ぜひすべての学生にチャレンジしてもらいたいです。

 3級では、仕入れから販売、現金回収までの取引状況を決算書にまとめる商業簿記の知識が問われ、取得すれば、「賃借対照表」「損益計算書」から企業の経営状況を把握できる知識の証明となります。2級は、さらに製造業で使う工業簿記も試験範囲となり難易度も上がりますが、取得していれば必ずアピールポイントになります。
 
 簿記検定は有名な資格なので、すでに勉強をしたことがある人もいるかもしれませんが、3級レベルでも「最初からすんなり理解できた」という人は少数派ではないでしょうか。「序盤の仕訳処理のところでいきなりつまずいた」といった声もよく聞きます。
 
 簿記検定は企業の経理部などで「会計帳簿や財務諸表を作る人」を想定した内容の試験ですから、普段帳簿に触れる機会がない人にはイメージしにくい内容が多いのも当然です。もし、簿記検定の勉強がなかなか前に進まないのなら、いったん切り替えて「ビジネス会計検定試験」の勉強をしてみるのをおすすめします。