経済安保と経済成長の
選択を迫られる韓国政府
韓国としては、米国の核拡大抑止に依存しなければならない。他方、米国の対中半導体輸出規制の強化によって、それでなくとも厳しい韓国経済の状況は一層悪化する可能性がある。
韓国政府が半導体サプライチェーンの問題について米国寄りの姿勢を取る場合には中国の報復も考えられ、韓国経済にとってさらなる悪材料となるだろう。また、経済安全保障の問題を巡って、日米韓で亀裂が生じれば、中国が付け込んでくるだろう。
早ければ7月にも日韓両国の首脳がそろって米国を訪問する可能性が言われている。その際、経済安全保障の問題は、北朝鮮の核問題や中国の台湾侵攻、南シナ海での権益拡張と並んで最も重要な問題となる。それまでに閣僚レベルなどで事前調整する時間は余り残っていない。