生命保険協会が業務品質で合格点を付けた42社の乗り合い代理店。そのうち30社の協力を得て、生保会社を“逆査定”した。トップに立った生保会社はどこか?特集『[激変]生保・損保・代理店 保険大国の限界』(全22回)の#3では、「顧客思いの生保会社ベスト&ワーストランキング」を一挙公開する。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
生保協会に業務品質で認定された30社が
生命保険会社を忖度なしの“逆査定”
2017年3月、金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」を公表した。それ以降、銀行や証券会社、生命保険会社などの金融機関は、商品の販売・契約や問い合わせ対応、情報提供など、あらゆる業務が顧客本位であるかどうかが問われるようになった。
常に顧客に寄り添って商品やサービスを提供する「顧客本位」の姿勢は、企業にとって当たり前のこと。だが、日本の金融機関にとっては、本気で取り組み始めてからまだ6年しかたっていない、“新しい概念”なのだ。
生保商品を選ぶ際に失敗しないためには、生保会社がどの程度、顧客本位の業務運営を実践しているかも重要な視点だ。だが、統一された指標は存在しないため、定量的に評価することは難しい。そもそも金融庁は原理原則を公表しただけで、具体的な取り組み方法や改善策は個社に委ねられているからだ。
そこでダイヤモンド編集部は、複数の生保会社の商品を取り扱う乗り合い代理店にアンケートを実施。直接、消費者と接する乗り合い代理店は、生保会社が顧客本位で事業を行っているか否か、日常業務の中で肌身に感じているからだ。なお、保険ショップなどを運営している乗り合い代理店は、大手であれば30社を超える生保会社の商品を取り扱っている。
具体的にアンケートを依頼した乗り合い代理店は、生命保険協会の業務品質評価制度で認定された42社。そのうち30社から回答を得た。
業務品質評価制度とは、顧客対応とアフターフォロー、個人情報保護、ガバナンスの4項目において、生保協会が中心となって作った基準で代理店を評価する制度だ。これをクリアした優良代理店が、本特集では生保会社を“逆査定”したというわけだ。
アンケートでヒアリングしたテーマは「アフターフォローの対応・体制」「保険販売・契約のサポート」「設計書や契約システムの使いやすさ」「商品力」の4項目。それぞれにおいて、最も顧客本位だと感じる生保会社を3社、また顧客本位の観点で改善すべき点があると感じる生保会社3社を、順位付けして挙げてもらった。
なお、回答を寄せた代理店名は次ページで記したが、どの代理店がどのように評価したかはあえて記していない。生保会社に忖度せずに回答してもらうためだ。
では次ページにて、「顧客思いの生保会社ベスト&ワーストランキング」をお届けしよう。果たして上位にランクインした生保会社はどこか。逆に代理店の評価が低いワースト1位にランクインした生保会社に対しては、「致命的」な欠陥を指摘する辛辣な声が代理店から相次いだ。その生保とは一体どこか。
本特集でお届けする生保商品を選ぶための基礎知識や、生保商品ランキングと併せて参考にしてほしい。