東京理科大学の大学生だったとき、夏休みの暇つぶしで突如「そうだ、投資をしよう!」と思い立った。証券口座を開設して、家庭教師のアルバイトで稼いだ貯金を“タネ銭”をほぼ全額投入。知識ゼロ・経験ゼロの状態から投資をしてみたものの、わずか2週間で全額、溶かしてしまった……。そこで投資を諦めず、本腰を入れて勉強。ベンチャー企業に入社してから本領を発揮して、1銘柄だけでも億単位のリターン(売却益)を得るなどして、入社4年で独立。そこで得た投資の最終結論は、常識の真逆をいく「小型株集中投資」という手法だった。その投資法を1問1答のクイズ形式で楽しみながら学べる『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)の著者が、アマチュアだからこそプロに勝てる“儲かる株の見つけ方”を基礎の基礎から応用まで解説する。

投資を始めると会社で出世する決定的理由Photo: Adobe Stock

投資を始めて
会社の仕事が好転

私の周りでは、投資を始めてから「仕事が上手くいくようになって昇進した」「年収がアップした」「副業が軌道にのった」という話をよく聞きます。

ある会社員の女性は、以前は相性が悪かった上司からの評価が上がり、所属部署のマネジャーに抜擢されたそうです。さらに、働き方の自由度が増して、年収が1.5倍に増えたと喜んでいました。

これらは、投資をやり始めたことによって「投資家マインド」が芽生えたことによると私は分析しています。

従業員マインド
投資家マインド

どういうことかというと、日々の仕事に関する考え方も、従業員マインドから投資家マインドにシフトし、仕事を俯瞰(ふかん)してとらえることができるようになったと思うのです。

たとえば、あなたがスマートフォン向けのサービスを展開する会社で、タクシー配車アプリの開発に携わっているとします。従業員マインドであれば、この仕事に対して、おそらくこんなことを考えるでしょう。

アプリの仕様は? どうすれば使いやすい?
競合他社はどこか? 何社あるか?
普及させるためにマーケティングはどうするか?

従業員マインドだと、与えられた課題を解決することに夢中になるあまり、どうしても視点が低く、視野も狭い範囲にとどまりがちです。

経営者と同じ視点で働く

では、投資家マインドであれば、どんな考えになるでしょうか。

自社の売り上げは?
この事業によって自社にどれだけの利益がもたらされる?
そもそもこのアプリは開発するに値するのか?
アプリを開発するよりも低コストで有益な方法はないのか?
開発するとしたらコストは?他社との差別化は? 市場をどれだけ囲い込める?
自社開発ではなく、他社を買収したほうが効率がいいかも? 買収するならいくらが妥当?

従業員マインドに比べて、発想の視点がグンと高まったことがわかると思います。まさに経営者と同じ視点で、目の前の仕事に取り組むことができるようになるわけです。

これが投資を始めると会社で出世する理由です。

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)の著者によるものです。