ツイッターの拡散に依存する
マスメディアの罪
さらにこの後、ななちゃらさんは番組MCを務めている谷原章介への誹謗(ひぼう)中傷が目立つとし、「彼は取材班やプロデューサーの代理として謝罪してくれただけだと思います」「事実を多くの人に知ってもらえたらそれで良いです」(参照)と、番組への批判過熱に意見を述べた。
この一連の流れは、ネット(というよりも、もはやツイッター)への依存度が強まりつつあるマスメディアと、さらにSNSで拡散される情報による世論の過熱を特徴的に表していたと感じる。
ツイッターのユーザーが投稿して拡散された動画や画像について、テレビ番組のスタッフアカウントが「お忙しいところすみません」などと書きつつ、その動画の提供を求める光景はしばしば見かける。
必ずと言っていいほどこのような情報提供依頼には、「マスゴミのコタツ取材」といった批判のリプライが飛ぶ。
マスコミも現場に居合わせられることばかりではないのだから、偶然その場にいた一般人の動画や画像が貴重だし、ユーザーに問い合わせるためにはリプライしか方法がないことも多いという事情はわかる。
しかし、大きな事故や災害の動画・画像ならまだしも、拡散されているからという理由だけで、影響力の大きいテレビがそれを再三にわたって扱うのか……と感じるものも中にはある。
さらに今回のように、さして複雑ではないことの経緯を間違って報道してしまっては、誰でもスピーディーに発信できる時代にあって、情報の正確性についてはまだ信用があったはずのマスメディアの存在意義がない。