それを踏まえると、朝起きて思考がクリアな時間帯に集中して仕事をこなし、定時に切り上げるワークスタイルが理想的であることがわかります。
仮に今、夜型で支障なく仕事ができている人も、その生活スタイルを続けていると、脳に疲労が蓄積していきます。5年後、10年後といった中長期的な視点で考えると、心身に負担をかけてしまうリスクがあります。
これは、自家用車を毎日無茶苦茶に乗り回していたら負担が大きいのと同じ理屈です。人間も機械も、小まめなメンテナンスと適度な負荷が不可欠なのです。
1日でも夜更かしをすると
回復までに2~3日を要する
最適な睡眠時間は体質によるので、絶対的な正解はありません。ただ、アラームなどで無理矢理起きるのではなく、自然に目覚める状態が理想です。自分にとって無理のない就寝時間と起床時間を探ってみてください。
スタンフォード大学のウィリアム・C・デメント教授は「睡眠負債(sleep debt)」という表現で慢性的な睡眠不足のリスクに警鐘を鳴らしました。睡眠負債が積み重なると、メンタル疾患やがん、認知症などになるリスクも指摘されています。
1日でも夜更かしをすると、翌日のパフォーマンスがあからさまに低下し、回復までに2~3日を要することになります。まさに負債とは言い得て妙であり、睡眠負債をつくらないためにも、早寝早起きのルーティンを維持したいところです。
一度理想のサイクルが確立されると、睡眠の質がどんどんよくなっていきます。私の場合、夜は22時までに就寝し、朝は日の出前後に起床するサイクルがベストといえます。早起きをして太陽の光を浴び、瞑想をする。そして朝食をしっかり摂ると明らかに脳が「整った」という実感が得られます。
より思考がクリアになり、重要な仕事に一点集中でき、情報収集のスピードも速くなります。また、感情的にもネガティブモードになりにくいため、建設的な発想にもつながります。