幸福大国に暮らす人が毎日気にしていること

 幸福大国にある、地球上で最も幸せと言われる町に暮らして半年が経ちました。社会福祉制度のおかげで、満足のいく生活ができるのは納得がいきます。ただ、それだけではなく、デンマーク人の幸せとは、毎日工夫をして心地よい生活を送ることではないかと最近思うようになりました。

 なぜなら特に11月以降は基本的に毎日曇り空で、気分も落ち込みぎみになりとても幸せな気分にはなれないからです。アメリカに同時期に留学中で、「Design School留学記」の著者であるイリノイ工科大学の佐宗邦威さんと共同で行った幸福に関する調査で、オーフスに住む20代の若者に、アンケートを実施しました。

 毎日のルーティーンについて聞いてみるとこんな答えが返ってきます。

「毎朝、瞑想をしています。朝急がずに済むように、早く起きて時間を作れるようにしています。あといずれ私は死ぬんだ、と思い出すようにしていて、何が起きてもそれほど重要ではないと思うようにしています」

「週に2~4回はダンスをしています。十分な睡眠をとり、あまり働きすぎないようにしています。いつも違うことをやろうとしています。例えば、家でテレビを見るのではなく、外に出て逆立ちをする練習をしたりするのです」

「ヨガとストレッチ。あとは、その日上手くいったことを3つ、感謝していることを3つ毎日書くこと。一年中海で泳ぐこと。友達と頻繁にディナーをしたり、楽しい会話をする場所を持つこと」

デンマーク人は本当に幸せなのか?<br />住んで初めてわかった「幸福感」の違い

 毎日健康に気を配り、余裕のある生活を心がけているようです。1日で多くのことを成し遂げるよりも、プライベートの時間を確保してリラックスすることを重視しています。

また、晴れれば、外で「え?」と目を疑うようなことをするのがオーフスの人の特徴です。

先日も町の真ん中で、バク転の練習をしている人々を見かけました。天候が悪い日が続いても、心はカラフルな毎日を過ごしているのです。