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【精神科医が教える】他人の意見を聞き入れようとする“お人好しのジレンマ”Photo: Adobe Stock

人の意見を聞くのはいいこと?

人の話を聞く、他人の意見をとり入れるというのは、よいことだと思われがちです。

ただし、意見は人それぞれ違います。誰かの意見と反対の意見もあるわけですが、すべての意見を聞けるわけではありませんし、とり入れられるわけでもありません。

社会全体でみれば、声の大きい人の意見が耳に入りやすいのですが、その意見は少数派だったりすることも少なくありません。

あちら立てればこちらが立たぬ

大多数のサイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)は黙ったままだからです。こういうことは、意外と意識されていなかったりします。

もちろん、いちばん大事なのは自分の意見だということです。他人の意見はを聞いてもいいけれど、聞きすぎてはいけないし、無条件に従ってはいけない。

誰かの意見をとり入れたとして、その意見に従うということは、ほかの人の意見は無視するということを、つねに頭の中で意識しておいたほうがいいです。

最終的には自分

Aさんの意見とBさんの意見というのは、どちらも真っ当だとしても両立しない。Aさんの意見をとり入れると、結果としてBさんの意見は無視することになるんです。

だから、いろんな人の意見を聞いて、それをすべて反映しようとしたら、身動きがとれなくなってしまいます。

誤解を恐れずにいうと、人の意見をちゃんと聞いてもしょうがない。全部聞き入れて対応しなければいけないということではなく、むしろしてはいけないということ。最終的には、自分自身の意見がなにか、ということが大事なのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。