「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「本を読む習慣がない私でも読みやすく、頭に入りやすかった」
「何度も読み返したい本!」

などの声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

【小児科医が教える】喉が渇いていなくても「子どもは水分補給」が必要! その理由とは?Photo: Adobe Stock

喉が渇いていなくても、水が必要なの?

 私たちの細胞内で起きている化学反応には、水(H2O)が必要です。一気に大量の水を摂ると、その瞬間に必要な少量の水以外は不要な水として排出されてしまいます。ちょこちょこ飲みでその都度必要な水を補いましょう。「喉が渇いた」「水が欲しい」という自覚がなくても、1日のなかで水分は必要です。

 ガブガブと一気飲みするのではなく、

 ●ちょこちょこと3口ずつ
 ●20~30分おき

 に飲めるとよいです。

 子どもはカラダが水を必要としていることを感じる、脳の口渇中枢(こうかつちゅうすう)や水分調整をする腎臓の機能が未熟であることなどから、自覚的に喉が渇いたと感じないことがよくあります
 喉が渇いたと感じないからといってずっと水分を摂らずにいると、急に気分が悪くなって、机につっぷす子が何人もいます。

 日常の活動では、1日1.5リットルの摂取が理想(10歳、平均体重38kg、体温36.5℃の場合)です。しかし、暑いなかで運動する場合にはこれでは不足するので、必ず専門家の指示を仰いでください。
 子どもは大人に比べて、体内で水が必要となるまでの時間(体水分代謝回転)が40%ほど速いことがわかっています[*77]。

 マイ水筒を子どもと一緒にデコレーションすると、盛り上がって飲むタイミングが増えます。水にレモン果汁を垂らすのもよいですね。

熱中症予防に欠かせない水分補給

 暑い季節の熱中症の予防には、電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル)が含まれる水分の摂取が重要です。
 そのほか、熱中症の予防には、十分な睡眠時間をとる、しっかりと朝ごはんを食べることも欠かせません。とくにみそ汁はミネラル分を無理なく摂ることができるのでおすすめです。

100%野菜ジュース、
100%くだものジュースも要注意

 野菜やくだものはビタミンやミネラルなども含み健康によい食材です。しかし野菜ジュース、くだものジュースは1日に100ミリリットル程度までがよいと、米国の小児科医の団体がすすめています。理由は糖が多いからです。ジュースではなく、

 ●麦茶
 ●ほうじ茶
 ●そば茶

 などの甘味のない飲み物がおすすめです。カフェインの入っていないお茶にしましょう。
 ハーバード大学公衆衛生大学院が推奨する健康的な食生活ガイドでは、水がおすすめ飲料となっています[*78]。

 このほかにも『医師が教える 子どもの食事 50の基本』では、子どもの脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方をわかりやすく紹介しています。

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本』から一部抜粋・編集したものです)

*77 Moritz M, et al. Disorders of Water Metabolism in Children: Hyponatremia and Hypernatremia. Pediatr Rev. 2002; 23(11): 371-380.
*78 https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/healthy-eating-plate-vs-usda-myplate/
(2022年11月20日)