静岡県知事の定例会見は
知事のデタラメ答弁で紛糾

 リニア工事における「山梨県から出る水」を巡って、静岡県の川勝平太知事による拡大解釈の秒速連打が続いている。川勝知事の定例記者会見(6月13日)は、知事のデタラメな答弁に紛糾した。

 山梨県から出る水は、山梨県のものである。山梨県知事である長崎幸太郎は、「静岡県さんの議論には大変強い違和感を感じております。山梨県内の領域においてボーリング調査で出た水、これは山梨県内で出た水ですので、山梨の水だというのが常識的な考え方ではないか。科学的な議論に基づいた話をしていただきたい」と指摘している。

 このことについて記者に問われると、川勝知事は「水循環基本法にも書かれていますし、世界的にも共通の理解ですが、水は誰のものでもないのです。ただし、民法的に言えば、土地所有者がそこの上にいればその人の水ということになりますけれど、水はみんなのものであり、同時に、誰のものでもある、誰のものでもない、そういう性質のものではないかと思っています」と言い出した。つまり、山梨県から出た水はみんなの水であり、静岡県が口を出すことはできるという言い分だ。

 さらに川勝知事は「水が引っ張られている」として、山梨県内のトンネルで出た水が、静岡県のものであるかのような拡大解釈を続けるのだ。山梨県側で出た水をさかのぼって静岡県から来ていた水の場合、「全量を静岡に戻せ」と主張するつもりのようだ。

 もしそんなことをすれば、「静岡由来の山梨から出た水」が静岡へ戻された場合、山梨は水を取られることになり、反対するに決まっている。川勝知事は現実には絶対にあり得ない話をしているわけである。

 水が誰のものであるかなどと不可解な議論をこれ以上するつもりなら、では神奈川県にある「芦ノ湖」の水は誰のものなのか分かっているのだろうか。神奈川県にある芦ノ湖であるが、実は水利権は静岡県芦湖水利組合(裾野市・長泉町・清水町・御殿場市)が持っている。芦ノ湖の水利権を巡っては、両県の間で裁判が行われたが、芦ノ湖の水が流れてくる静岡県が勝訴した。

 つまり、水の出口がある県に軍配が上がったのだ。