人財を3タイプに分けて、ミスマッチな配置を防ぐ

 私はこれまで多くの企業をコンサルしてきましたが、「部下の適性を上司の主観で判断してしまう」という問題はよく起こります。つまり、多くの上司が、自分自身の実績や成功体験と部下の経歴や職歴から、部下の配属を決めてしまうのです。

 社内の人事評価ツールがあったとしても、最終的には上司の経験に基づく主観から決定されているのが現状と言えます。部下が持つ本来の適性に合った人財配置にしないと、人と仕事にミスマッチが起き、社員が「働かないおじさん」になってしまいます。最終的には「モチベーションが下がった優秀な部下(人財)が退職する」という最悪の結果を招いてしまいます。

 ではなぜ、主観で判断するとミスマッチが起きるのでしょうか? 私は、働くことには「人間の根源となるものが隠れている」と考えています。これは、突き詰めると上司も部下も、基本的に次の3つのタイプに分類することができるからです。

(1)楽しみながら仕事をしたいタイプ:
このタイプは、人と人の繋がりに重点を置き、気持ちで仕事をします。

(2)結果を数字や形に置き換えるタイプ:
このタイプは、自分が目標とする事柄に対し、結果を具体的な形にします。

(3)立場や存在にウエイトを置くタイプ:
このタイプは、礼儀礼節を重んじ、周りから認められる為に頑張ります。

 PI分析から見るこの価値観の本質的な違いが、人を判断する主観に大きく影響していることがわかり、これらの主観が働く3つのタイプを見誤り、上司が部下の適性に合わない部署に配置すると、社員が元々持っている真の欲求が満たされません。その結果、本人の仕事に対する意欲とモチベーションが続かず、結果的に働かない部下になることが多くみられます。