上司のひと言が部下のやる気を削ぐ
職場における上司の悪気のない言動が、部下を傷つけることもあります。そして、次第に部下のやる気が低下し、上司を信頼できなくなってしまうのです。私の長年のコンサル経験から見えている感覚では、上司を信頼していない部下が6割以上いる企業が大変多いです。
それでは、部下を傷つける上司の言動とは、具体的にどのようなものでしょうか?
例えば、以下のような言動が当てはまります。
・返事をしておきながら「聞いてない」と言う
・言ってないことを「言った」と思い込んで意地を張る
・言葉にトゲがある
・自分からは挨拶しないのに、礼儀にうるさい
・上役には丁寧に接するが、部下は雑に対応
・会社への不平不満が多い
上司本人は、気づかない場合が多いのですが、部下からすると「この上司の下で働きたくない」と感じてしまうのです。
挙げればきりがないのですが、次のような言動も部下の信頼を失ってしまいます。
・いきなり始まった会議が延々と続く
・理解していないのに、いきなり現場に行くように指示する
・自分の物差しで、他人の意見を否定する
・部下の失敗には厳しく指摘するが、自分の失敗には甘い
・感情的に物にあたる
上司としては無意識に行った言動でも、部下は覚えています。知らず知らずのうちに、上司の評価が下がっているのです。
上司の言動が職場崩壊の元凶に!?
さらに、次のような上司がいる組織は、悲惨な末路を辿ることになります。
<末路1:上司が部下の能力を疑う職場>
上司が部下の能力を疑うと、部下が上司の失敗を望むようになる傾向があります。多くの場合、このような上司は、自らの保身のために責任も取りません。部下の面倒も見ないため、多くの部下を敵に回し、やがて孤立します。その結果、部下に仕事を振れなくなり、自分一人で仕事を抱えて行き詰まります。最終的には、上司の無能さの内部告発が始まり、部署の崩壊がスタートします。
<末路2:体育会系のトップダウン型の上司>
このような上司の下では、イエスマンの部下しか育ちません。反対意見を言った部下は、上司の評価が下がってしまうからです。その結果、多くの部下が会社を辞め、上司の責任問題に発展するケースが頻繁に起こります。
<末路3:上司が部下や同僚の前で、他の部下や会社に批判的な愚痴をこぼす>
このような行為は、部下の士気を下げることになります。やがて、部下は自分の上司こそ会社に必要ない人財だと思うようになります。その後、多くの部下が思った通り、上司は本当の窓際に追いやられる場合が多いのです。
<末路4:人の好き嫌いが激しい上司>
『「働かないおじさん」を活かす適材適所の法則』(ぱる出版)豊嶋智明 著
このような上司は、自分のことを慕ってくれる部下と自分が気に入った部下だけに心を開きます。その結果、偏った情報しか入らず、部下との摩擦が頻繁に起こるようになります。最終的には、上司が会社から責任を取るように迫られるのです。
上司の悪気のない多くの言動が、働かない部下を作るのです。このような環境では、部下は次第にやる気がなくなり、言われたことだけをやるようになります。部下のモチベーションを下げたのは、このような上司の言動です。会社の生産性を大きく下げているため、一見働いているようですが、上司こそ、「働かないおじさん」でしょう。
その結果、社内に作業員的な「人材」が増えていき、会社の宝となる「人財」は育たなくなります。人財配置を失敗すると、長期的には会社に大きな損失をもたらすのです。







