昭和アイドル「自分たちと違う感覚が新鮮」
モノ・コト部門には「昭和アイドル」が挙げられました。最近、Z世代からよく言及されるものの一つが、この“昭和アイドル”です。
中森明菜、松田聖子、チェッカーズ――。誰もが昭和を代表するアーティストとして認知している人たちが、再びZ世代の心を掴んでいます。当時のアイドルが発端となりトレンドになっていた「聖子ちゃんカット」や「ソバージュ」、「チェッカーズのファッション」をマネしたいなど、そのファッションスタイルも人気のようです。
そして、その理由は、エモいというだけではなく、“昭和アイドルの思想”にもあるようでした。つまり、単にモノやコトを消費するだけでなく、消費を通して自由な個性を表現するマインドそのものを、自分の中にインストールしたいと考えているようです。
Z世代は、SNSネイティブとも呼ばれます。物心ついたときから日常をSNSに投稿することが当たり前の彼らは、常に周りと繋がりリアルタイムを共有し続けていることから、周りの目に非常に敏感です。したがって周りとの調和を意識しすぎるがゆえに、自分の個性を表現することを遠慮してしまうこともある彼らにとって、周りに流されず自分の個性を表現する昭和アイドルたちが眩しく見えるようです。
だからこそ個性を貫き、自由に生きている「思想(マインド)」にも憧れを抱いていることが分かります。
また、昨今の国際情勢や物価高騰など、社会の空気感や金銭面においても不安が募る状況が続いています。Z世代もその空気を感じ取っているのか、2023年はこの社会全体のどんよりした空気に対抗するために、エネルギッシュなマインドを自分にインストールしたいという意欲も感じます。