「夜型の生活リズムが寿命を縮める」と言われる本当の理由夜更かしは、本当に寿命に有害な影響を及ぼすのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

夜型の生活リズムは
本当に寿命を縮める?

 夜型の生活リズムはあらゆる原因による死亡リスク(全死亡リスク)や心血管疾患による死亡リスクのわずかな上昇と関連することが報告されている。しかし、寿命に有害な影響を及ぼすのは夜更かしそのものではなく、夜更かしに伴いがちな喫煙や飲酒であるとの研究結果が報告された。フィンランド労働衛生研究所のChrister Hublin氏とJaakko Kaprio氏による研究で、詳細は「Chronobiology International」に6月15日掲載された。

 UKバイオバンク参加者を対象にした過去の研究では、夜型の生活リズムが全死亡リスクや心血管疾患による死亡リスクと関連することが示されている。Hublin氏らは今回の研究で、この関連が別のコホートでも再現されるのかどうかを検討した。対象者は、1958年以前に出生し、1975年時点では生存していたフィンランドの同性の双子2万3,854人のうち、海外在住者などを除いた2万2,976人。これらの双子は、1981年の時点で、人口統計学的属性や社会的な特徴、健康と疾患に関する情報、生活習慣などに関する100項目から成る質問票に回答していた。

 この質問票には、「あなたはどの程度、朝型/夜型だと思いますか」という質問が含まれており、6,769人(29.5%)が「明らかに朝型」、6,354人(27.7%)が「やや朝型」、7,591人(33.0%)が「やや夜型」、2,262人(9.9%)が「明らかに夜型」と回答していた。朝型の人に比べて、夜型の人には、年齢が若く、飲酒や喫煙の量が多い傾向が認められた。対象者は、2018年まで37年にわたって追跡された。