機転が利く人の特徴
機転が利くというと完全にアドリブで考えたり行動したりすることだと想像する人が多いと思います。しかし、実のところ、「完全なアドリブ=機転が利く」ではありません。そうではなく、機転が利くとは、困ったときでも自分の引き出しのなかからどれだけものを速く出せるかです。少し見ていきましょう。
お笑い番組などを見ていると、パッと話題を振られた芸人がその場で気の利いたことを言っているように感じると思います。あんな一瞬なのに面白いこと言えてすごいなと誰もが思うはずです。しかし、これは完全アドリブではなく、これまでその芸人が積み上げてきた発想がそのまま言葉として出てきているというのがカラクリなのです。
たとえば、千鳥・ノブくんもアドリブではじめて「クセが強い」と言いはじめたわけではなく、ネタとしてやってきたことが応用として出てきていますし、ミキ・昴生くんのキレ芸も漫才と同じテンポを再現できているため一瞬でも面白いわけです。
つまり、彼らの瞬発的な面白さは普段から考えていることが発揮できているだけで、その場で、ゼロから生み出されたものではないのです。
これは悪いことではなく、むしろ良いことで、普段からやっていたり、考えていることであるため安定感があります。彼らは、不測の事態も相手を自分の得意な土俵に引き摺り込むことで、笑いを取っているのです。
対して、パニックになってしまう人はとにかくそこでフリーズしてしまいます。うんともすんとも言わず固まってしまうのです。私もあがり症だったので気持ちはわかりますが、何かは言わないといけません。それはずれたことでも間違ったことでも良いのです。
先ほど、アドリブではなく、普段から考えていることだけが困ったときに出てくると言いましたが、それを磨く方法は日頃から考えるクセをつけておくことだけです。
気になったことやわからないことはその場で調べ、「あれがこうってことは、こういうことなのでは?」と思考を深める作業を続けていれば自然と機転が利くようになっていきます。
ちなみに南海キャンディーズの山里くんはNSC(お笑い養成所)のときから気になったことがあれば、その場ですぐに知識変えようとするタイプでした。本人から聞いた話ですが、飲み会の途中でもわからないことがあればトイレに駆け込み、スマホで調べるそうです。そうしないと落ち着かないと言っていました。
彼も機転が利く芸人の一人ですが、それはまさに日頃から考えて続けていることの成果でしょう。特別な才能や訓練は必要ありませんから、皆さんもぜひ意識してみてください。