「本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない」
デヴィ夫人のツイートに批判
デヴィ氏は被害を訴える男性たち7人が当事者の会を立ち上げたことや、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が日本で聞き取り調査を行うことに触れ、「日本の、一芸能事務所の問題を国際機関が調査に来るというこの事態、全く腑(ふ)に落ちない」とツイートした(7月18日19時6分)。
デヴィ氏のツイートはこの後、四つ投稿された。それぞれの内容を、要約あるいはそのまま引用する。
「いいね」も多数、
セカンドレイプの典型
デヴィ氏のツイートには、多くの批判が寄せられている。筆者もかなり問題のあるツイートであると思う。ただし本稿で指摘したいのは、デヴィ氏本人の認識ではなく、このような認識はこれまで社会の中に広くあった考え方であるという点だ。
有名人であるデヴィ氏がこのようなツイートをすることの影響力は大きいが、かといって個人への批判が過熱しやすい現代のネット社会の中で、すでに大きな批判を浴びているデヴィ氏個人をさらに追及するのははばかられる。
繰り返しになるが指摘しなければならないのは、デヴィ氏のような認識を持っている人はこれまでも少なからず存在してきたし、また社会の中で支持されてきた。今回のツイートは批判されているが、それぞれ「いいね」が5000〜1万以上、多いもので4.8万近くもついている(23年7月20日現在)。
「いいね」のすべてが賛同を示すものではないかもしれないが、それでも少なくない数の人が、デヴィ氏の言い分に賛意を示したのは明らかだ。デヴィ氏のように、ジャニーズ事務所や故・ジャニー喜多川氏が一方的にたたかれすぎているように感じている人もいるのかもしれない。
しかし、このように「被害者」と「加害者」を安易に逆転させてしまう反応こそ、セカンドレイプの典型と言えるものだろう。