また、イラッとしたとき、自分の気持ちをよく見直してみることも大切です。人間は、自分自身がイライラしていると、相手のふとした言動に過敏に反応してしまうことがあるものです。
怒りを覚えた自分が、どんな精神状態だったか、冷静に判断することが大切です。
さらに、自分の怒りをちょっと抑える努力も必要でしょう。
たとえば、「もし、その人がいなかったら、いまの私があるかな?」と考えてみるのです。
すると、「困ったとき、あんなことを教えてもらった」とか、「あのときの仕事はいっしょだったからうまくいった」などという“いい記憶”がよみがえってくるかもしれません。そうしたいい記憶には、くやしい思いを癒してくれる効果があります。つまり、心に余裕が生じるのです。
相手と距離を置く
あるいは時間を置く
肝心なのは、この心の余裕です。心に余裕があれば、ふくれ上がりそうになるネガティブな感情を抑え、相手と距離を置いて接することができます。
どうしても許せないと思うようなことがあったとしたら、しばらくの間、自分を不快にさせた相手の存在や言動を頭の中から閉め出してしまいましょう。絶対に自分のほうから、その人の話題を出さないようにするのです。
心にわだかまりがあるうちは、ついつい、「ねえ、こんなことがあったのよ」と話題にしたくなるものです。
でも、話題にすると、相手の非を糾弾したり、ついつい悪口をいいたくなったりするのが人の常。そうなったら、お互いに非難の応酬になって事態はますます悪化するばかりです。それを防ぐためにも、相手と距離を置く。あるいは時間を置く。それが賢明なのです。