米韓軍事同盟は
文在寅政権によって崩壊寸前

 文在寅政権も、バイデン政権の不満が高じたことで米国が同盟関係そのものを疑い始めたことを感じたようである。それでも基地への出入りを制限的に緩和しただけで抜本的な対策は講じなかった。そのまま文在寅政権が継続していたら、あるいは文在寅政権と同様な「共に民主党」が主導する新政権が誕生していたならば、米韓同盟は崩壊していた可能性がある。

 文在寅政権は米中間において中国寄りの姿勢であり、米韓同盟を対北朝鮮への協力に限り、対中包囲網に韓国を組み込んだことはなかった。

 しかし、尹錫悦政権になって、北朝鮮のミサイルを追跡する目的で、韓国軍と在韓米軍、自衛隊と在日米軍が、それぞれ使用するレーダーなどの指揮統制システムを、ハワイにある米国の太平洋軍司令部を通じて連携する動きを示している。その協力関係強化は「3不1限」という文在寅政権時代のTHAADの運用原則をほごにし、将来のミサイル防衛への一層の協力やTHAADの追加配備に結び付くのではないかとの見方も出ている。

米国は尹錫悦大統領を歓迎

 バイデン米国大統領は、尹錫悦大統領を4月24日から30日まで国賓として米国に招待した。

 バイデン大統領は、韓国の変化を受け、少人数の首脳会談会合において「われわれの同盟はインド太平洋地域で見ることができる。それは地域の安保と繁栄の核心軸になっている」と述べた。

 また共同声明とは別に発表された北朝鮮の核に対するワシントン宣言では、北朝鮮が核を使用すれば「米国は核兵器などで圧倒的に対応する」として核の拡大抑止に合意した。さらに、バイデン大統領は米韓首脳会談後の共同記者会見で「北朝鮮が米国や同盟国、パートナーに核攻撃をすることは容認できず、そのような行動を取るなら、いかなる政権であれ、終末を招くだろう」と警告した。

 バイデン大統領は、岸田文雄首相と尹錫悦大統領を同時に米国に招待し、日米韓首脳会談を行うことにしている。具体的な日程は調整中であるが、8月18日に大統領の別荘の「キャンプ・デービッド」が有力視されている。これまでの日米韓の首脳会談は国際会議の場を利用して行われてきた。米国で3国首脳が会談するのは初めてである。

 会談では、北朝鮮のICBM発射などが集中的に論議されるであろうが、「北朝鮮ミサイル警報情報共有メカニズム」の稼働を繰り上げる案も話題になる可能性がある。

 会談場所はこれまで重要な国際会議が開催された場所であり、米政権の意気込みが感じられる。