ちなみに、インターンシップ・1day仕事体験に参加した23年卒学生のうち、インターンシップ(1day仕事体験も含む)参加企業に入社する学生は41.4%で、前年より4.5ポイント増えています。インターンシップ参加企業ではないものの、同業種の企業に入社する割合は27.9%となり、合計で69.3%がインターンシップと何らか関係のある就職先を選んだということです。

 企業視点から見ても、学生との接点を増やす上でインターンシップの存在は大きいことがわかります。23年卒の「内定者の中にインターンシップ参加者がいた企業の割合」は82.4%。その内訳として、そもそも「採用を目的として実施」した割合が46.6%だったものの、「採用を目的とはしていないが、結果的に内定者の中に参加者がいた」ケースも35.6%にのぼっています。採用とインターンシップの関係性の強さがうかがえます。

広がるWebと対面の使い分け
学生の意向にあったやり方が求められる

 コロナ禍を経て、採用プロセスには変化が見えるのでしょうか。

 24年卒では全体として対面回帰の傾向が見られ、個別企業説明会やセミナーでは対面実施が7.4ポイント増、面接の対面実施も8.1ポイント増となりました。

 ただ、採用活動におけるオンライン活用は引き続き活発で、Webと対面の使い分けが広がっています。学生側も、大学生活の中でオンライン対応には慣れており、すべてのプロセスが対面に戻されるとなれば、物理的、時間的なハードルから参加意欲が削がれることも予想できます。

 実際に24年卒学生の意向を聞いたところ、合同企業説明会や個別の説明会では「Webの方がよい・計」が半数を超えました。面接選考においては「対面の方がよい・計」 が40.1%で、「Webの方がよい・計」37.5%を上回っているものの、そこまで大きく差がないところも、学生の意向が変化している示唆といえます。今後も、企業の柔軟な対応が求められるでしょう。

SNSやスカウト・逆求人型サービスなど
採用手法が多様化

 学生のエントリー経路の傾向についても見ていきます。

 エントリー経路として最も多いのは「就職情報サイト」で89.4%。次いで「企業のホームページ」が59.2%、「インターンシップ・1day仕事体験に参加した企業からきた採用選考案内」が42.5%と続きます。昨今の新たなエントリー経路として広がりつつあるのが、「逆求人やスカウトなど、ダイレクトリクルーティングサービス」で30.1%。これからどう伸びていくかは注目したいところです。