内定出しの開始時期からも、企業の採用意欲の堅調さが見て取れます。
企業の内々定・内定出しの開始時期は、当研究所の調査である『就職白書2023』によると、23年卒(実施実績)、24年卒(実施予定)ともに3月が最も高くなりました。24年卒は、1月、2月での内々定・内定出しも前年と比較し増えており、5月までの内々定・内定出し累計は、24年卒は77.2%(実施予定)。23年卒が70.4%(実施実績)だったことから比較すると、内定出しの前倒し傾向が高まっているといえます。
大学生の内定率は、選考解禁とされている6月1日時点で79.6%と、現行の就活スケジュールとなった2017年卒以降、最も高い数値となり、前年より早期化が進んでいることが分かります。この数値の高さの要因は、先に挙げた企業側の採用意欲の高さと、説明会や面接などのオンライン化による採用プロセスの効率化が考えられます。
では、“就職確定先”からの内定取得時期はどうなっているのでしょう。23年卒のデータを見ると、「初めて内定を取得した時期」が最も高いのは3月ですが、「就職確定先から内定を取得した時期」が最も高いのは5月、6月となっています。学生は早期から就活準備を始めるものの、大手の結果が明らかとなる6月前後まで活動を継続するといった、早期化かつ長期化の傾向が顕著になっていることがわかります。
就職活動の早期化は、各選考プロセスの学生の実施率からも見えてきます。こちらも、6月1日時点の調査結果ですが、学生側の活動では、「エントリーシートなどの書類を提出した」の実施率は3月中が69.8%で最も高く、「面接選考(最終面接含む)を受けた」の実施率は3月中63.3%、4月中62.5%と6割を超えています。
「最終面接を受けた」の実施率では、4月中が43.3%で5月中の39.7%を上回っており、選考フェーズ自体、政府の要請する就職活動スケジュール(選考開始は6月1日以降)と比較すると、実態としては、早期化傾向になっているのがわかるでしょう。
高まる“採用と
インターンシップ”の関係性
24年卒の学生のインターンシップの参加状況も見ていきましょう。
インターンシップ・1day仕事体験への応募、参加率はともに9割を超え、業界や企業理解を深めるプロセスとして、学生にとって欠かせない活動になっています。