企業の視点で、認知形成や広報の手段の推移を見ていくと、「ホームページ」「就職情報サイト」「学校への求人票」の順番で高いのは23年卒から変わっていません。一方で、「スカウト・逆求人型サービス」「SNS」が前年差で5ポイント上がっており、多様な採用手法を取り入れようという企業が増えていることがわかります。
スカウト・逆求人型サービスの利用企業は、23年卒から前年の2倍以上に増え、23.2%が利用を開始したと回答。24年卒では24.7%の企業が新たにサービスを使い始めたと答えています。
企業側はスカウト・逆求人型サービスの利用理由として「一人でも多くの人材を確保したい」(64.7%)、「他のサービスでは出会えない学生に出会いたい」(49.7%)と考えているものの、導入企業が増えるにつれ効果が分散していっているとも読み取れるでしょう。
学生側は、逆求人型のサービス(就職情報サイト)を利用してよかった点として、57.1%が「知らなかった企業に出会えた」と回答しています。一方で利用のデメリットとして、「志望する企業からスカウトがこなかった」(34.1%)、「スカウトされた内容では、自分の経験やスキルを評価されたとは感じなかった」(24.8%)という点を挙げています。
スカウトは、企業にとって時間もパワーもかかる採用手法で、大変だと感じる人事の方も多いでしょう。それでも、スカウトを送る際には、「なぜあなたにオファーを送ったのか」という個別化したメッセージをいかに伝えられるかがポイントになるでしょう。
25年卒では企業の
採用意欲がますます堅調に
学生が優位な状況が加速した24年卒採用ですが、25年卒で採用予定人数を「増やす」と答えた企業は8.8%で、「減らす」と答えた企業の1.5%との差は+7.3ポイント。つまり、25年卒ではさらに企業の採用意欲が高まることが予想されます。
また、25年卒からはインターンシップの定義が大きく変わります(2023年7月20日公開記事へのリンク)。5日間以上または2週間以上と実施時期が定められ、就業体験や社員からの指導が必須となるなど、より実践的な学びの場がインターンシップになっていきます。