韓国の女性アーティスト・DJ SODAさんが、8月13日に大阪で開かれた音楽フェスでの性被害を明らかにしてから10日余りがたった。しかし、騒動はいまだ収まりそうにない。(フリーライター 鎌田和歌)
※本稿内で、性暴力被害者への二次加害にあたるX(旧ツイッター)投稿を引用しています。
加害者の謝罪・出頭も
二次加害はやまず
ここまで騒動が長引くと思っていた人は、少ないのではないか。
8月13日に大阪で行われたミュージックフェスに出演した韓国のDJ SODAさんが、男女複数人から胸などを触られたとX(旧ツイッター)で告発した。
その後、フェスの主催会社が加害者を刑事告発し、SNS上でDJ SODAさんへの誹謗(ひぼう)中傷や差別的発言が行われていることを指摘。「DJ SODAの権利保護のため、流布者のアカウントをモニタリングおよび追跡中であり、場合によっては厳重な法的対応をします」と声明を発表した。
さらに、21日には20代の男性2人が加害者として名乗り出て、有名YouTuberのチャンネルに出演後、警察に出頭した。これについては、「勇気がある」と称賛する声がある一方で、謝罪をエンタメショーにしているといった批判も相次いでいる。
騒動が収まらない理由のひとつは、ネット上でDJ SODAさんに対する二次加害が後を絶たないことだろう。
二次加害とは性被害を訴えた人をさらに傷つけるような言動を行うことで、典型的なものとしては、「被害者に狙われる隙や原因があったと言いたてる」「うそだという前提で聞く」「被害を矮小(わいしょう)化し、加害者を許す寛容さを押し付ける」などがある。
そもそも、性被害は被害申告率が低い。この要因の一つとして、被害に遭った側の責任を問う、こういった二次加害が指摘されている。それでもネットニュースのコメント欄やSNSでは、二次加害が日常的に繰り返されてしまっているのが現状だ。