ジブリアニメ監督が
「つつもたせ」「彼女の芸」

 筆者が最も驚いたのは、スタジオジブリ制作の映画『猫の恩返し』(2002年)などの監督を務めた森田宏幸氏のXでの投稿だ。すでに削除されているが、19日に「DJ SODAの言っている性被害って、公開型のつつもたせなのだろう。誘惑されて仲良くしていたら、あとから怖い人が出てくるという。音楽フェスの主催者は彼女の芸に加担しないことだ」と投稿していた。

 確かに、DJ SODAさんは露出度の高いファッションで知られ、過去のパフォーマンスもセクシーなものが多い。こういったことから、パフォーマンスを見て「誘惑されている」と感じる人もいるかもしれない。

 しかし、アーティストが観客の前で露出度の高い服装でパフォーマンスをしていたからといって、勝手に触っていいわけがない。「きっと触られたいのだろう」「こういうノリなら、触られたらむしろ喜ぶはずだ」といった考えは勝手な思い込みだ。

「つつもたせ(美人局)」「彼女の芸」といった言葉には、「彼女は本当は触られたぐらいで傷ついていないのに、傷ついたふりをして注目を集めようとしている」といった意味が込められているように感じられる。

 まぎれもない二次加害であるし、子どもにも人気のアニメ作品を手がけてきた男性アニメーターが性被害についてこのような見識を持っていることにも驚く。